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残業代、ちゃんともらってますか? 労働時間に関するQ&A(前編)(3ページ目)

労働時間や残業に関するQ&Aを集めました。基礎知識編と合わせてご活用ください。

執筆者:西村 吉郎

ですから、あなたの場合も、合弁事業のスタッフになることがすでに確約されていて、語学講習への参加が必須となっていたり、受講することが業務命令として文書などに残っているのなら、夜間講座の受講時間は労働時間であるといえます。
 ただし、「将来的に語学力が必要になるだろうから」、「合弁事業の計画があるので語学を身に付けた方がよい」という、上司からの単なる勧めであれば、受講の時間を労働時間とするのは難しいでしょう。その点を、再度上司に確認したうえで、残業代の打診をすべきです。
 もしも労働時間とみなされないとしても、受講費用は会社が出してくれているようですし、語学学校に通うために、ある程度終業時間などにも会社側は考慮しているのではありませんか? 確約書がとれていなくても、それだけ会社があなたに期待を寄せているともいえますから、今はキャリアアップのための投資期間だと思って、残業代にとらわれず、目標を持って頑張ってみてはどうでしょうか。


Q 昼休みが事実上ないも同然の状態に
 美容院でインターン中の身です。経営者でもある店長からは「込み具合を見て各自昼食をとり、その後は店で待機するように」といわれいます。日によって休憩をとれることもありますが、来客があれば対応しなければなりません。ゆっくり休めないのは、仕事柄仕方がないのでしょうか。

A 労働時間が6時間を超えていて、休憩がとれないのは違法
 労働基準法は、労働時間が実働6時間を超えて8時間以内の場合には45分、8時間を超える場合には60分(いずれも最低基準)の休憩を労働時間の途中に与えるよう定めています。「休憩時間」とは、業務から開放され、使用者の指揮監督下から離れる時間のことをいいます。あなたのように、昼休み中でも来客があれば対応するように命じられるなど、現実に作業はしていないが、いつ仕事を命じられるかわからない状態にあるときは「手待ち時間」であって休憩時間ではありません。
 労働時間が6時間を超えているのに、実体として休憩時間が与えられないというのであれば、店長の法律違反は明らかです。当然の権利として、1日の労働時間に応じた休憩を要求することができます。
 インターンとして店長から技術を教わる立場からすれば、一般の労働者としての権利を主張するのは、はばかられる面もあるかもしれません。しかし、教わるべきことは技術だけでなく、客への対応、衛生管理、従業員管理などを含めた店舗経営全般であるはず。もし、働く者としての当然の要求にも応えてくれないようであれば、その経営者のもとで研修すること自体、考え直してみる必要もあるのではないでしょうか。その点を確認する上でも、しっかり要求すべきでしょう。


残業代の支払いに関する疑問

Q 時間外手当の計算基準となる時間給とは?
 勤務先の給与明細には、「超過勤務時間」「残業時給」の欄があり、これらによって「時間外手当」が計算されています。しかし、自分で計算してみると、時間給はかなり低く設定されているようなのです。そもそも、この残業時給はどのように計算されるものなのですか。

A 生活補助的手当などを控除したものが基準になる
 1日8時間を超える時間外労働や深夜労働をさせた場合、会社は割増賃金を支払う義務があります。その割増額は1時間当たり賃金の2割5分以上でなければなりません。時間外労働が22時以降の深夜労働と重なった場合には、時間外勤務と深夜労働それぞれの割り増し分を加算して、通常賃金の5割以上割り増しすることが定められています。
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