A 計画付与対象から 除外する等交渉を
年次有給休暇は、労働者の指定によりいつでも好きなときに取れるというのが原則ですが、労使間で協定を結ぶことによって、会社が年休を取る時期を特定し、その間に休んだ分は、各人から年休取得の申請がなくても、年休を取得したものとみなすことが可能です。
これは「計画年休」と呼ばれるものです。対象となるのは、法律で定められた年休のうち、5日を超える部分。具体的にいうと、年休が12日ある人の場合、そのうち5日までは自由に取得することができますが、残る7日分については、計画年休として会社が取得時期を指定することができることになります。
この計画年休は、年休消化率を高めることや、ある程度計画的な事業運営を可能にすることなどの目的で導入されたものですが、反面、年休の付与日があらかじめ決まっているのでは不都合が生じる場合があります。あなたのように乳幼児を保育園などに預けて働きに出ている母親労働者の場合はとくに、年休の趣旨には反しますが、子どもが病気したときなどに備えて年休をとっておきたいなどの事情がおありでしょう。
そこで、労働省は、特別の事情があって年休の計画付与が適当でない労働者については、計画付与の対象から除外するなどの配慮を求める通達を出しています。いまのままではどうしても都合が悪いというのでしたら、この通達に沿って、会社側と交渉してみてはいかがでしょうか。
Q 夏休みとして休んだ分有休が減る
今月4日に新しい会社に移りました。慣れない環境で緊張した毎日を送っていますので、夏休みをを待ち遠しく思っていますが、そこで休んだ分は自分の有給休暇が減ると聞きました。どういうことなのでしょうか。
A 「計画年休」制度導入により会社は取得時期を指定できる
年次有給休暇は、労働者の指定によりいつでも好きなときにとれるというのが原則ですが、労働基準法では、労使間で協定ができていることを前提として、会社側に年休をとる時期を指定する権利を認めています。会社が有給休暇を与える時期を特定して、その間に休んだ分は、各人から休暇取得の申請がなくても、年休を取得したものとみなすわけです。
これは「計画年休」と呼ばれるもので、有給休暇の消化率を高めることや、ある程度計画的な事業運営を可能にすることなどの目的で、昭和63年4月の法改正により導入されました。
計画年休の対象となるのは、年次有給休暇のうち、5日を超える部分で、5日までの年休は、従来通り労働者の好きな時期に取得できます。具体的にいうと、年次有給休暇が12日ある人の場合、そのうちの7日については会社側で取得時期を指定できるということです。逆に考えれば、年休が12日あったとしても、7日分が計画年休に組み込まれていれば、好きな時期にとれる年休は実質的に5日しかないということになります。 ゴールデンウィークに限らず、夏期休暇、年末年始休暇の一部に、この計画年休を組み込む会社も多いようです。
むやみに年休をとっていると、いつのまにか年休をすべて消化してしまっていたなんてこともありえます。好きなときにとれる年休が何日あるのか、気になる人は就業規則等で確認しておきましょう。
Q 10日あるはずの年休が5日しか残っていない
3月に転職して10月、10日の有給休暇をもらいました。その権利を初めて行使しようと2日連続の有給を申請したところ、残りはあと3日だといわれました。使っていない有給がなぜ減るのでしょうか。
A 夏季休暇として計画的に付与されたのでは
年休は、労働者の指定によりいつでも好きなときに取れるというのが原則ですが、労使間で協定を結ぶことによって、会社が年休を取る時期を特定し、その間に休ん