社会人の大学・大学院/社会人の大学・大学院基本知識

大学院の実態 大学教授・助教授の嫌がらせ

大学教授による学生へのハラスメントが後を断ちません。過去の事件や、実際に進学辞退に追いこまれた学生の話など、大学院の実態を検証します。

西島 美保

執筆者:西島 美保

社会人の学びガイド

教授、助教授による学生へのハラスメント

最近、大学教授による学生への暴力事件が表面化するようになってきました。特に研究室での力関係は顕著で、主にセクシャルハラスメント(性的嫌がらせ)、パワーハラスメント(権力関係による嫌がらせ)により学生が追いこまれるケースが目立っています。

過去のハラスメント事件

過去数年間の大学教授、助教授による不祥事を調べてみると、ざっとこれだけの事件がありました。(インターネットニュース調べ)

1999年京都工芸繊維大
工芸学部教授が女子学生にセクハラ(性的嫌がらせ)→懲戒免職処分。本人は否定。

2001年広島市立大学
国際学部の元教授が留学生にセクハラ→懲戒免職。本人は否定

2002年神戸大学
助教授が研究室の男子学生らに酒の一気飲み強要。→減給10分の1。6ヶ月の懲戒処分。(処分後の10月に辞表提出。依願退職)

2002年神戸大学
文学部助教授が女子学生に電子メールで交際を迫るなどのセクハラ及びパワーハラスメント(権力関係による嫌がらせ)。→減給10分の1。6ヶ月の懲戒処分。 

2002年和歌山大学
システム工学部教授が担当ゼミ学生4人に殴る蹴るの暴行や他の学生を殴らせた。→停職6カ月の懲戒処分

2003年金沢大学大学院
自然科学研究科教授が、出張先ホテルの自室に指導する女子学生を呼び入れ、セクハラ(性的嫌がらせ)。→停職3カ月の懲戒処分

2004年北海道大学
助教授が、女子学生にセクハラ→停職6カ月の懲戒処分

2004年東京大学
助教授が研究室大学院生に暴言、暴行。→懲戒免職

しかし、ニュースになるのはほんの一部であり、未だ多くの学生が被害に遭っているものと思われます。
例えば、学生本人が自覚しておらず、「嫌だ」と苦痛を感じつつも、いわゆる慣例や習慣という名の元に、ハラスメント(嫌がらせ)を受けているケースも多いようです。

現在大学2回生で大学院進学か就職かを迷う20代女性は、「先輩の話を聞く限りですが、研究室に入るととりあえず小間扱い。ていうか、パシリ?状態なんだとか。勉強はしたいけど……そんな話きくとやる気も失せます」と大学院に関する不安を寄せています。また、現在社会人の20代女性も「ウチの大学も大学院も、やっぱり教授にコキつかわされて、よく分からないまま卒業という人もいました。」と当時を振り返ります。

多くの方の意見を聞いてきましたが、このように研究室の雑用はもはや慣習となっているようです。

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