社会ニュース/よくわかる時事問題

燃油サーチャージにみる航空運賃のカラクリ(3ページ目)

航空運賃に上乗せされる燃油サーチャージが上昇する中、「料金がわかりにくい」などの苦情が殺到! そこで、燃油サーチャージとはどんなもの? イマイチわかりにくい仕組みを、徹底解説します!

執筆者:志田 玲子

料金トラブル続発で、総額表示制の導入へ

画像の代替テキスト
料金表示を巡り、旅行業界と航空業界が真っ向から対立!
多くの場合、パッケージ・ツアーのパンフレットに記載されている料金は、航空運賃やホテル宿泊料などの旅行代金のみ。燃油特別付加運賃=燃油サーチャージについては、「別途お支払いただきます」と書かれているだけで、金額は明示されていません。

そのため、いざ申し込みになると、往復で数万円もの追加料金を請求され、愕然! 料金の不透明さゆえのトラブルが多発し、中には申し込み自体を断念する人もチラホラ……。

そこで、危機感を強めた旅行業界は、来年4月から旅行代金とサーチャージを合算した総額表示制の導入を目指す方針を決定。航空各社に対し、サーチャージ改定の仕組みを、現在の3ヶ月毎からパンフレット改定に合わせ6ヶ月毎に変更するよう、求めました。これに対し航空業界は、「6ヶ月毎では、急激な燃料費アップに対応できない」と猛反発! たしかに、6ヶ月という長い期間中、原油高が急激に進んだ場合、航空会社はコスト上昇分を迅速にサーチャージに反映できず、痛手を被ることになります。原油相場が激しい乱高下を繰り返す中、これ以上の価格リスクは抱え込みたくない……。

ビジネスは「明朗会計」が基本!

このように、利害が対立する旅行業界と航空業界の主張は、平行線をたどっています。ただ、料金を支払う旅行者の立場としては、不透明な「2重価格」はぜひとも改めて欲しいもの。既に、旅行代理店のHISが「コミコミ料金」=総額表示制を導入した上で、サーチャージ額を明記するなど、旅行者の要望に応える取り組みも始まっています。ビジネスは、何と言っても「明朗会計」が基本。航空業界もやみくもに反発するだけでなく、「明朗会計」に近づける努力をして欲しいものです。

【記事の関連サイト】
●All About「よくわかる時事問題」のサイト
「原油価格」はなぜ、上昇を続けるのか?
原油高で「狂乱物価」が再来?!
原油価格はどこまで上がるのか?
神戸空港がまもなくデビュー!えっ他にも?
新空港は「閑古鳥」の巣窟?!

●その他のサイト
各社の燃油サーチャージおよび航空保険料、イーツアー
「燃油サーチャージ」について、日本旅行業協会


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