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国の資金のやりくり、歳出・歳入一体改革

政府・与党が発表した、歳出・歳入一体改革とは、今後5年間の国の資金を節約する内容を案の柱を固めたものです。増税を避けたと解説されていますが、その中身とは?

執筆者:石原 敬子

文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
政府・与党が発表した、歳出・歳入一体改革とは、今後5年間の国の資金を節約する内容を案の柱を固めたものです。増税を避けたと解説されていますが、その中身とは?

<INDEX>
歳出・歳入一体改革とは?(1P目)
削減の額に幅?(2P目)
それもそのはず、2007年夏には参院選挙(2P目)

歳出・歳入一体改革とは?

弁明
歳出・歳入一体改革とは、国が使うお金を抑えて入れるお金を増やす政策
先進国で最悪水準の、日本の借金。これを減らしていこうという政策が「歳出・歳入一体改革」。借金をせずに税金だけで国の必要経費をまかなおうというのが「プライマリーバランスの均衡化」。プライマリーバランスをプラスにするとは、税金から必要経費を使ってもお金が余ることを指します。

今までの自民党は、どちらかと言えば増税で何とかしようとしていたのですが、今回の「歳出・歳入一体改革」では、国の経費を減らす方に重点を置いたものにシフトチェンジされた印象があります。

「歳出・歳入一体改革」の柱となるのは、「歳出削減」。そう、使うお金を減らすことです。しかも、「党主導で」行っていくというところが、新鮮さを感じさせられます。

具体的には、2011年度にプライマリーバランスをプラスにするために、今後5年間、今に比べて使うお金を11.4兆~14.3兆円減らし、税金など国に入ってくるお金を2~5兆円増やすことが必要だという数字がはじき出されました。

ここで大枠の数字が決まり、それではどんな分野で減らそうかというと・・・。

・社会保障費で     1.6兆円
・人件費で 2.6兆円
・公共投資で 5.6兆~3.9兆円
・その他の分野で4.5兆~3.3兆円
――――――――――――――――
合計 14.3兆~11.4兆円

ともあれ、今後5年間の「歳出・歳入一体改革」がこの目標数字通りに進めば、先に小泉首相が言及している通り、2011年度にプライマリーバランスがプラスになるというのです。小泉首相からポスト小泉へのバトンタッチにも期待が寄せられます。

だいたいわかった、で、実現可能なの?続きは、次のページで!
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