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決算書、読めたら何が分かる?(4ページ目)

決算書は、決して専門家だけが使うものではありません。就職や投資の参考になるのはもちろん、生命保険会社や銀行の決算書、自分の会社の決算書でアブナイ会社の早期発見にも役立ちます!

執筆者:石原 敬子

■キャッシュフロー計算書=お金の流れを表したもの
お金の出入りの状況、お金が入っているか入っていないかが分かります。


営業活動によるキャッシュフロー最も重要!本業でどれだけお金を稼いだか投資活動によるキャッシュフロー土地や建物、設備投資、出資などの投資に使ったお金使うお金なので普通はマイナスになります。財務活動によるキャッシュフロー借入金などのお金の流れ本業でお金が足りなくなった場合に、資金繰りの埋め合わせがあるとここに計上されます。お金を借りたり、株式の発行など資金調達をするとその現金がここに入ります。

■どう使うか?
営業キャッシュフロー投資キャッシュフローを足したものをフリーキャッシュフローといいます。その期中に獲得した自由に使えるお金のことです。これが、新規事業のための資金や、配当の原資になります。積極的に設備投資を進める時期はフリーキャッシュフローがマイナスになることが多いのですが、財務キャッシュフローでカバーできれば問題は少ないといえるでしょう。致命的な状況は、財務キャッシュフローで補うことが出来ず、マイナスが何年も続いている場合です。こういう状態は資金繰りが苦しいという時です。倒産の典型は、損益計算書では利益がプラスキャッシュフロー計算書でのキャッシュフローはマイナスというケースです。ここ数年、売上が上がっていても、現金が入ってこないために倒産してしまった会社が多かったです。キャッシュフロー計算書は、それを早いうちから予告しています。倒産しそうな企業の早期発見のために、キャッシュフロー計算書は、関係者に危険信号を発してくれています。

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決算書にはその企業の実体が数字ではっきりと出てきています。奥が深いものではありますが、初めて見る方でも、最低限見るべきポイントだけでもチェックすれば、世間のうわさに惑わされない情報をつかむこともできるかと思います。自己責任といわれる時代、自分の目で、投資先、運用先をよく調べる必要もあります。また、企業のチェックに利用するだけではなく、ぜひ自分の家計の決算書を作り、将来の不安なこの現代を、上手に乗り越えるツールとしても利用してみてはいかがでしょうか?
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