共用部分も含めた防犯性能の基準を策定
住宅性能表示制度の防犯性能に関する項目は、あくまで住戸の開口部の性能だけを表示するもので、共用部分のエントランスやエレベーター、共用廊下などは今のところ対象外です。そこで共用部分も含めたトータルな防犯性能を評価する制度として、(財)全国防犯協会連合会のほか、(財)ベターリビング、(社)日本防犯設備協会が共同で「防犯優良マンション標準認定基準」をとりまとめました。主な基準内容は以下のとおりです。○ 共用部分
・共用玄関は、見通しが確保された位置に配置
・共用玄関には、オートロックシステムを設置
・エレベーターホールは、共用玄関又は管理人室等からの見通しを確保
・エレベーターかご内には、防犯カメラを設置
・共用玄関、共用玄関の存する階のエレベーターホール及び共用メールコーナーの照明設備は、50ルクス以上の照度を確保
・共用廊下及び共用階段は、乗り越え等による侵入が困難な構造
・共用廊下及び共用階段の照明設備は、20ルクス以上の照度を確保
・塀、柵又は垣等を設置する場合は、周囲の死角の原因及び住戸の窓等への侵入の足場とならないもの
・防犯カメラを設置する場合は、見通しの補完、犯意の抑制等の観点から有効な位置、台数等を適切に配置
○ 専用部分
・住戸の玄関は、防犯建物部品等の扉及び錠を設置 ・住戸の玄関扉は、ドアスコープその他外部の来訪者を確認できるものを設置
・住戸内には、住戸玄関の外側との間で通話が可能な機能等を有するインターホンを設置
・共用廊下に面する住戸の窓は、防犯建物部品等のサッシ及びガラス、面格子その他の建具を設置
・住戸のバルコニーは、縦樋、階段の手摺等を利用した侵入が困難な位置に配置
居住者の安全意識がいちばんの防犯性能
最新の設備をそろえるだけではセキュリティが万全とは言えない |
ただ、こうした基準はあくまでマンションの設備や配置についてのハード面について示したものです。最新の設備やシステムを導入したからといって、泥棒の侵入を100%防げるとは限りません。マンションの居住者が見知らぬ人の出入りに無関心だったり、ゴミ出しなどの決まりにルーズなマンションは狙われやすいと言います。いざとなったら助け合えるよう日ごろから隣近所と仲良くしたり、管理組合が敷地内をパトロールするなど、居住者自らが住まいの安全を守る意識が最も重要な「防犯性能」といえるでしょう。
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建物部品の開発・普及に関する合同会議
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