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「君の話は理解できない」と言われたら? 優位感覚タイプを知る!

「君の話は理解できない」と言われてしまった経験はありませんか? 五感のうち優先的に使う感覚は人それぞれです。どの感覚も使う能力はあるのですが、どれを頻繁に使うのかをタイプ分けしたもの、それが「優位感覚タイプ」。今回は、脳のメカニズムに基づいて解説します。

執筆者:君塚 由佳

<目次>

「君の話は理解できない」と言われたら……優位感覚タイプとは

「君の話は理解できない」と言われたら

さて、何をどう準備したら本番で上手く話せるのか?それが一番の悩みどころです。

「コーヒー」という言葉から、あなたは最初に何を連想しますか?

A まず喫茶店の看板を思い出します。頭の中にスターバックスの緑の丸いマークがイメージできました

B メニューが思い浮かんで、ブレンド、アメリカン、カフェラテという文字を思い出しました

C ブラックのコーヒーの苦味が口いっぱいに広がりました

さて、あなたはどれでしたか? 人は五感を通してまわりの世界を認識しています。五感とは視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚です。これらの感覚でキャッチした情報を脳に送り、言葉を使ってそれらに意味付けをしているのです。
それでは、「コーヒー」という言葉から、3人がどのように意味付けをし、行動や反応をしたのかを連想したかを分析してみましょう。

Aさんはまず視覚を使って、看板の絵を見て、コーヒーというものをとらえています。Bさんはメニューの文字を「見て=視覚」いるのではなく、「読んで(声に出して聞いているのと同じ状態)いる事から聴覚を使っていることがわかります。Cさんは味を感じているところから、体感覚(味覚、嗅覚、触覚をひとまとめにしたもの)を使っています。

このように、五感のうち優先的に使う感覚は人それぞれです。どの感覚も使う能力はあるのですが、どれを頻繁に使うのかをタイプ分けしたもの。それが「優位感覚タイプ」です。
 

優位感覚タイプ

●視覚タイプの人
「あなたが何を言っているのか、私には話が見えません」「先が見えないような経営はどうかと思います」などと、「見る」「見える」「眺める」という言葉をよく使います。色の話をしたり、表現がカラフルだったりします。絵を見るように語ります。

●聴覚タイプの人
「私にはふざけているようにしか聞こえません」「楽しそうな声が聞こえてきたよ」などと、
「聞こえる」「考える」「理解する」という言葉を使い、理論的に考える傾向があります。
本を読むのも聴覚に当てはまります。本を読むときには視覚を使って文字を追いながら、頭の中で文字を読み、理論的に捕らえていることになります。

●体感タイプの人
「その話を聞いて、憤りを感じました」などと、「話の趣旨をつかむ」「とらえる」という感覚的な言葉、あるいは動作で示す傾向があります。

ちなみに、ガイドの君塚は体感タイプがとても強く、考え事をするときにはウロウロと歩き回ったり、話すときはゼスチャーも多いです。絶えず体のどこかを動かしているような気がします。自分の考えをまとめるときには図を描きます。だから、考え事をしているときにはそっと放って置いて欲しいと思います。

私のビジネスパートナーは、聴覚タイプのようです。何かあると話したがり、話すことで自分の考えをまとめる傾向があるので、何か悩みなどがあったら、誰かが聞いてあげるように心がけなくてはいけません。

優位に立つ感覚タイプが違うと、こんなに違ってくるのです
 

優位感覚タイプから生じるすれ違い

上手く話せる?
さて、何をどう準備したら本番で上手く話せるのか?それが一番の悩みどころです
右の絵を見てください。女性の絵です。どんな印象を持ちますか? 「ゴージャスな生活を送っていそう」「若い人」「少しポッチャリしているかも?」「王冠を身に着けた王女様のように見える」「メイクが濃くない?」そう思いますか?

私は、この絵を見てこんな印象を持ちます。「私の親よりも年上かもしれない」「まずいし衣生活で、やつれているように見える」「大きな曲がった鼻が、まるで魔法使いのようにみえる」のですが。いかがですか?
 
上手く話せる?
 
実は、私は絵を逆さまから見て感想を申し上げたのです。同じ絵を見て、「王女」という人と、「老婆」という人がいます。しかも、どちらも間違いではありません。フィルター(感覚)を変えただけで、全く違ったものになるのです。優位感覚タイプが全く違う二人がコミニケーションを取るとき、これと全く同じような現象が起きます。

学生時代の風景を思い出してみてください。先生は言葉を厳密に選んで論理的に説明するのですが、生徒は首をかしげ、「なんの話をしているのかぜんぜんわからない」という顔をしています。タイミングを見計らって質問しようとすると、そのタイミングで先生が次の説明を始めてしまい、また生徒は首をかしげる羽目になる。もうこんな事が30分も続いている。極端に聴覚タイプの先生が、極端な体感タイプの生徒に熱心に説明している場面です。

体感タイプの生徒には、言葉を感覚的にとらえるために処理をするのに時間がかかります。言葉の意味を体感してから先生に言葉を返そうと一生懸命なのです。しかし、先生からは「理解の遅い人」または「頭の悪い人」という見方しかされません。

まるで右利きの人が特に意識しなくても自然と右手でペンを握り、「どうして右利きなの?」と質問されても困ってしまうように、優位感覚タイプもだれもが当たり前のように使っています。

「なぜ視覚ばかり使うの」「なぜあなたは体感覚タイプなの」と責めてもやるだけ無駄です。それよりも、相手が頻繁に使う感覚に合わせて会話をする方が建設的です。
 

相手の優位感覚を探る方法

使う言葉(視覚は「見える」聴覚は「聞こえる」体感は「感じる」など)で感覚タイプを知ることができるのは先に述べましたが、しぐさからも知ることができます。

●視覚タイプは目の前に何かがあるように「このくらいの大きさの箱で・・」というように手振りを加えて話すことが多いです

●聴覚タイプは「そうですね、僕は・・・」などと言いながら頭を傾け、耳に触れて音を聞くしぐさをするようです。

●体感タイプは、胸に耳を当てて体と会話するように話すことが特徴です。

あまりゼスチャーを押織り交ぜて話さない人に対しては、質問することで感覚タイプを探ることもできます。

最初は聴覚を使って「何が聞こえましたか?」と聞いてみます。これで相手の反応が鈍いときには、他の感覚を試します。

体を使って話している様子があれば、体感タイプの可能性があるので「どんな感じでしたか」と聞き方を変えると、会話が弾むようになるでしょう。

視覚タイプの人に対しては、「イメージすると、どんな絵ですか?」と聞くと、話が盛り上がります。

こうして相手の優位感覚タイプを知り、それに合わせて話し方を変えれば、
「何を言っているのかわからない!」という悲しい結果はふせげるかもしれません。ぜひ試してみてください。


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