たった3文字で言葉をオブラートに包む方法
貴方の言葉には、聞いている人の気持ちを害する毒が含まれている…?
そのときに必要となるのがいわゆる「毒消し言葉」といわれるものです。ズバッと言い切ってしまう断定的な物言いや、直接的な言い方ではなく、やわらかく、オブラートで包んだような言葉づかいのことです。
もし、ある特定の役割や職業のことに触れるようなスピーチの場合…例えば「大手ゼネコンには困ったものですね。ベタベタな癒着で談合も当たり前でしょ?」などという直接的な話をしたならば、聞き手の反応はどうなるでしょうか?聴衆の中に、その業種に携わっている方や、ご家族・ご親戚がいたら、決してよい感情は持たないでしょう。
人間は本来、傲慢で自己中心的な生き物です。そのために、なかなか相手の立場に立って考えることができません。つい、自分にとって都合の良い勝手な解釈だけでものを言い、相手を怒らせたり傷つけたりしてしまって、自分自身が理解されずに終わってしまうことも起こります。そうならないためには、相手に「どう聞こえるか」を意識して話すように心がけることが大切です。
誰からも受け入れられる表現にする3文字の魔法
あなたの話が受け入れてもらえるか否かはちょっとした心遣いで決定するのです!
ガイドである私の経験をお話しましょう。私が以前、セミナーに参加し「効率的な学習法」という簡単な作文を書いたときのことです。皆の前で発表する前に講師の添削を受けました。短時間ではありましたが、内容を練りこみ、自分でも満足のいく出来の作文が完成できました。自信があったせいもあって、最後の文章は「これが効率的な学習法です!」と締めくくりました。「確かに、よく書けていますね。手直しする場所はありませんよ」と講師の先生はおっしゃいました。「この1箇所を除いてはね」そう言って、「効率的な学習法です!」という文章に「の一つ」という文字を書き込みました。
これが効率的な学習法です!
これが効率的な学習法の一つです!
この違いがわかりますか?前者は断定。言い切っています。「これ以外の学習法は効率的ではない」というニュアンスを含んでいます。自分自身でよいと思っていても、確かによいものであっても、自分の姿が「相手にどう映っているか」というところまでは気持ちが向かないものです。
確かに、どんなに良い学習法であっても、「どうだ!」と言わんばかりの表現の仕方では、相手の反発的な気持ちを刺激してしまいそうです。しかし、この「の一つ」という3文字を加えることで、「あなたも良い勉強法をご存知でしょうけれど、その中の一つが、私の紹介するものなのです。あなたの選択肢に加えてくださると嬉しいです」というニュアンスが伝わると同時に、相手の反発をいたずらに招くようなことはなくなるのです。
言い負かすのではなく、聞き手の意見を尊重しつつ、あなたの意見もきちんと伝える…そんなwin-win(両者が勝つ)関係の第一歩を、あなたも始めてみませんか?
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