正しいけれど、使わない方がいい敬語
日本語って難しいですよね。文法さえ正しければ正しく伝わるわけでもなく…
それは、いったいどういう事なのでしょう?
ある会社のオフィスでの様子を覗いてみましょう。
上司を怒らせてしまった山田君
ある会社でのやりとりです。営業部長は定年も近いのですが、まだまだ元気です。仕事もバリバリこなしています。その部長が、取引先に提出する見積書を確認したいと山田君に言いました。古くからの付き合いで、大口の取引もある取引先なので、くれぐれも失礼のないようにチェックしたいと言うのです。
ふと時計を見ると、もう20時をすぎています。そこで山田君は聞きました。
「部長、今日見積もりを見られますか?」と言ったのです。
すると、部長はみるみる険しい顔になって、怒り出しました。「失礼だな、君は!いくら老眼でも見積もりを見るくらいできるよ!」
さて、あなたはなぜ部長が怒り出したのか、おわかりになりますか?
正しい尊敬語を使ったのに、怒らせてしまったのはなぜでしょうか?
教科書どおりの使い方、それでも誤解を招く
あなたの小さな心配りがいずれ芽を出し、良好な人間関係へと繋がります。がんばって!
この例からもわかるように、敬う尊敬語のつもりで使った「~れる」「~られる」と言い方は、可能・不可能の意味で受け取られてしまうことが少なくありません。
ですから、「~れる」「~られる」という尊敬語はなるべく使わないようにした方が誤解を招かずにすむのではないかと思うのです。
例えば先ほどの例では「今日見積もりをご覧になりますか?」となります。このような「~れる」「~られる」を使わない敬語である慣用的な言い回しを使った方が、間違って受け取られずにすみます。このようなケースはたくさんあるので、まとめてみましょう。
基本の言葉 尊敬語
行く いらっしゃる
来る おいでになる
いらっしゃる
お越しになる
聞く お聞きになる
言う おっしゃる
食べる 召し上がる
思う お考えになる
借りる お借りになる
読む お読みになる
この言葉の使い方は、とにかく実際に使ってみて身につけていくしかありません。まずは明日からの上司やお客様との会話で使ってみてください!
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