車の定期点検はよく知られていますが、家の定期点検って、あまり聞いたことがありませんよね? 実は、住宅にも定期点検が必要なのです。ただ、数百万円の車の場合は広く知られているのに、数千万円もする家の定期点検については、あまり知られていないというのが実情です。
家をいつまでも美しく快適な状態に保つには、竣工後のメンテナンスが大切なのです。そして、適切な時期に補修や修繕を行い、その処置が最小限ですむためには、定期的な点検をすることが重要です。もし、あなたが家は建てたらそれでお終い、と思っているとしたら、それは大間違い。住宅の定期点検とは、どんなものなのか、説明していきましょう。
■定期点検の中身はどうなっている?
家が完成した後の定期的な点検が必要なことは、前述したとおりですが、具体的に住宅会社はどのようなメンテナンスプログラムを組んでいるのか、具体例をもとに説明していきましょう。
この会社で家を建てると、竣工後3カ月、1年、2年、5年、10年、15年、20年、30年、40年、50年の合計11回の定期点検が予定されています。このうち、3カ月から、30年までの9回の点検は無料です。
3カ月点検では、建物外部の維持・管理のアドバイスのほか、サッシやクレセントの調整や室内建具の開閉状況をチェック。
1年、2年点検では、基礎・外壁吹き付け・防水シートなどの点検、玄関ドア・サッシ・室内建具の開閉状態の点検、給排水のもれ・詰まりの点検を行います。
5年点検では、基礎・換気口・外壁(パネル・目地シーリング・軒天など)・屋根やベランダの防水のほか、玄関ドアなど可動部の点検をします。
さらに、10年、15年、20年、25年、30年、40年、50年点検では、基礎コンクリート、外壁シーリングや吹き付けの点検、屋根やベランダの防水性の点検、そのほか必要に応じて設備・建具・機能部品などの機能性の確認を行うことになっています。
このように、いつ、どこを、どのように点検するのか、詳しく決めてあるのは、無計画に各所のメンテナンスを行うと、非効率的で費用ばかりがかさんでいってしまう可能性があるからだということ。家を家を建てる前から、完成した後60年間のメンテナンスプログラムを組んでいるそうです。