長く暮らせる家なら、家族構成の変化に対応したり、高齢になっても暮らしやすいバリアフリー仕様になっていてほしいものです。今回は、子供が独立して夫婦二人だけになったときに、住まいにどんな不都合が生じてくるのかを予想し、高齢になっても快適に、夫婦仲良く暮らせる家とはどんな家なのか、考えてみましょう。

家を建てたときには元気でも…

月刊「HOUSING」(リクルート刊)の「2007 注文住宅と住宅設備に関する動向調査」によると、注文住宅を建築している人の平均年齢は38.7歳で、30~39歳で建てている人が55%を超えています。

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家を建てたときには気にならなかった階段の上り下りが高齢になってくるとだんだん苦痛に感じられるかもしれません
30代といえば、多くの人が子育てで忙しいころで、健康は気になるものの身体的にはまだまだ活力あふれる年代です。しかし、40代を過ぎ、50代に入ってくると、成長した子供たちは巣立って、また夫婦二人だけの生活になっている家庭もあるでしょう。高齢になったとき、どのように生活スタイルが変化し、住まいのどんなところに問題が出てくるのか考えてみましょう。

身体機能が衰えても対応できる住まいに

まず、最初に考えられるのは身体的変化による問題です。

加齢によって身体の機能が衰えてくると、ちょっとした段差につまずいたり、立ち上がるときや、階段を上り下りする際に手すりがほしくなりします。住宅の場合は、バリアフリー 手すりの前に考えたいことでも触れましたが、いざ必要になったとき、手すりを設置できるように、あらかじめ壁に下地を入れておいたり、段差の少ない設計にしておくことが理想的です。後から手を加えることの難しい階段の勾配や廊下の幅などは、新築当初からバリアフリーやユニバーサルデザインにしておきましょう。

加齢によって億劫に感じることが増える?

次に目立つのは、高齢になると、若いころには何でもなかったことが、少しずつ億劫になったり、不便に感じること。

例えば、階段の上り下り。あるお宅では、リビングを通風採光の条件が一番よい2階に設けましたが、広さを確保するために、トイレは1階にしてしまいました。若いときには、さほど面倒だと思わなくても、将来、リビングンでくつろいでいるときに、トイレに行くための階段の上り下りが、つらく感じるようになるかもしれません。

また、収納は「とり出しやすく、しまいやすい」が基本ですから、踏み台を使わないと手の届かない棚、かがまないと奥が見渡せない収納などは不便に感じられるようです。その結果、ものが出しっぱなしになったり、逆にしまいっぱなしになったりと、無駄が生じるようになります。

もちろん、こういった傾向は若い世代でも、子育てで忙しかったり、共働きで夫婦が多忙な家庭なら、十分ありえることですが、加齢によってますます億劫に感じたり、不便に感じる傾向は強まるでしょう。

次のページでは、夫婦二人だけになったときの住まいについて考えていきましょう。