キャリアプラン/キャリアプラン事例

現代の藤吉郎 フリーター⇒上場企業社長(5ページ目)

「バイク売るなら♪ バイク王♪」。バイク買い取りの最大手企業を育てた加藤社長は、フリーターから上場企業の社長に登りつめた。そのキャリアの分岐点とコアスキルは?

執筆者:角田 正隆

個人向け営業のポイント

個人向け営業
楽しい商談ができれば、数字は付いてきます!

特に加藤社長は、不動産会社やバイクショップなど一貫して「個人向け営業」に携わってきた。「業界が異なったり、相手が個人・法人どちらでも、営業のノウハウの9割はほぼ同じ」と語る加藤社長だが、個人営業に携わっている読者のために個人営業を攻略するポイントを聞いた。

「個人営業では顧客に満足して頂くことが特に大切。それができれば自然に数字は付いてくるものです。顧客満足を実現するためには、お客様が何を求めているか聞き出すことが先決です。当社の『バイク王』のサービスも、そうしたお客様の声をサービス化したものなのです。

電話1本で買い取りに訪問したり、名義変更などの手続きもすぐに済ませ、手続きが完了した旨を書類のコピーをつけて送付するなど、『バイク王』のサービスはお客様の不安感を取り除きながら完成させました。

当社のサービス自体が顧客志向の産物ですが、当社には商談が終わった後、自分自身の接客対応などについてお客様にアンケートを取っている人もいます。結構、恐いことですよね。彼に見習う部分も多いのではないでしょうか?」



■バイク業界に生きた顧客志向

「バイク王」の成功は、サービス志向の薄かったバイク業界に「顧客志向」の考えを持ち込んだ点が大きい。加藤氏がアルバイトとしてこの業界に入ったとき、バイク業界は「魚屋、八百屋、バイク屋」と並び称されるような、家族経営が主流を占める「職人の世界」だった。

そこに加藤氏が持ち込んだ異業種の営業経験は新鮮だった。まず褒められたのが、大きな声で挨拶しハキハキと応答すること。バイクショップといえば、お客様が店を訪れても店員に声をかけるまでは、店員はバイクの修理に夢中になっているような風土があった。

また、バイク買い取り価格の透明性の高さなども、「バイク王」の顧客志向の高さを証明している。従来型のバイクショップにバイクを売りたいと相談すると、そのバイクショップの都合で半ば“言い値”で査定される傾向があった。一方「バイク王」の査定は、オークション販売価格に基づいたものであり、合理的かつ顧客にとっても納得性の高いものだ。
 


関連リンク
・参考記事『アルバイトから上場企業社長へ』
i-knew


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