キャリアプラン/キャリアプラン事例

トップセールス列伝Vol.3 安田佳生氏(4ページ目)

ワイキューブ安田佳生社長は、新人時代は売れない営業だったが、発声練習で才能が開花しトップセールスに躍り出る。その後起業して学んだのは、「やりたくないことはやらない!」という極意だ。

執筆者:角田 正隆

ワイキューブの実践

自社ブランドの飲料水のペットボトル。美味しくコーヒーやカクテルを楽しむために専用の水まで自社ブランドで展開している

実際ワイキューブもそうやって現在の成功をつかんでいる。

一気に電話営業を廃止して、DM・広告・セミナー中心の問い合わせを“受ける”営業スタイルに切り替えた。今では同社の営業担当者は、顧客を訪問するのではなく、顧客からの訪問を待つのだという。

そして口うるさい客、やたらと値切る客との取引は、キッパリ断るようにしている。「取引先選定チェックリスト」があり、その基準に合わない顧客とは付き合わない。その分ターゲット顧客に対しては、手厚いサービスを展開して成功している。

まさにワイキューブが、「走りながら考えるな!」「やりたいことをやるな!」を実践するモデルケースなのである。

新しい時代の新しい営業手法

変われる人が成功できる

安田さんが唱える営業手法は、一見“定説”の逆をついた営業戦略のように聞こえるが、よく考えてみると非常に合理的な営業戦略だといえる。

顧客からの問い合わせを待つのであれば、電話営業にかかる余計なコストは掛からない。その分サービス内容の充実にコストを投入できる。営業担当者も疲弊しないから社員の定着率も高まり、多くのノウハウが社内に蓄積されることになる。

最近では電話営業や飛び込み営業を、こころよく思わない人が増えている。確かにこちらから仕掛ける営業手法は、情報が少なかった時代には有効だったのかもしれない。しかし、担当者がインターネットで簡単に情報を引き出し、画面上で比較できる時代においては、安田さんが唱えるような新しい営業手法が有効になってきている。

もしかすると自分が正しいと“思い込んでいる”営業手法が、すでに「時代遅れ」なのかもしれない。



コラム:変なプライドは不要



多くの企業の採用コンサルティングを手掛けるワイキューブだが、その社員向けの人事制度は、外部の人事コンサルティン会社が作成したものだという。餅は餅屋。変なプライドは持たず、常に最先端の制度を導入したいという考えだ。「将来的には、人事制度自体なくしてしまいたいと思います。人から評価されるのも嫌ですし、評価するのも嫌ですから」



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