20代で学んだワーク・ライフ・バランス
▲東京スター銀行店内。オレンジ色でまとめられている。ATMも明るい色の方がいい。 |
しかし就職先は、経営コンサルティング会社の日本法人。もっと日本を知りたいと思っての決断でした。
高給で知られる経営コンサルティング会社とはいえ、MBA(経営学修士)を持たないバッジさんの給料は、決して高くはありませんでした。小田急線沿線で狭い2LDKのアパートに家族4人で暮らし、毎日ラッシュにもまれながら通勤していたのです。
外資系企業の日本法人は、アジア全域の中核拠点として位置付けられることがあります。バッジさんのいた会社も、アジア全域にクライアントが点在し、出張ばかりの生活が余儀なくされました。
特にコンサルタントの仕事は、クライアントから要請があれば、すぐに現地に飛ばねばなりません。時間のコントロールも難しく、家族との時間もまったく取れませんでした。
その後バッジさんは、シティバンク東京支店に転職します。出張は減ったものの、仕事は忙しく、長時間勤務が続きました。
▲現在では紙の手帳とPDAを使い分けている。バッジさんの手帳術については後編参照。 |
彼にその秘訣は何かと尋ねると、彼は『フランクリン・プランナー』という手帳を使っているからだと言うのです。そこで私もこの手帳を使い始めました。すると何事も計画的に取り組めるようになり、人生のバランスが保てるようになったのです。
NY本社か? 地方拠点か?
その後バッジさんは、アメリカ本国への異動が決まります。赴任先はニューヨークとアトランタから選ぶこととなり、奥さんと現地を下見することにしました。▲東京スター銀行の接客スタイル。「コーチ」が丁寧に資産設計をアドバイスする。 |
ニューヨーク本社に行かないという選択は、出世の最短コースを放棄したことを意味します。正直な話、自分のキャリアが犠牲になったと思ったこともあります。
しかし、こうした場面では、自分が求める価値基準に従い、どちらか1つを選ばねばなりません。当時、私には子供が5人いました。子供が過ごしやすい環境で、少年野球チームのコーチなども、一度は経験したかったのです。