▲「主婦感覚を持った女性役員に救われた」 参考記事『ベストセラーよりロングセラー』 |
当社にも『土地を購入しないか』という打診がありましたが、当社の女性役員はそれに強く反対しました。彼女にしてみれば、大根一本だって数円でも安く買おうと必死なのに、一坪程度の土地が数千万するなんて信じられなかったのです。主婦感覚を持っていた彼女のおかげで、パソナはバブルの痛手を被りませんでした」
多様性を重んじる人材採用
人材採用もパソナにはユニークな採用方針があります。多くのベンチャー企業は「若者の会社」というイメージが強いと思います。大学生だった南部さんが立ち上げたパソナも、南部さんの友人を創業メンバーとしてスタートした「若者の会社」でした。ところが同時に、大企業経験者など中高年や女性を積極的に登用。意識的に社内に多様な価値観を持った人材を集めました。若者の「行動力」に、中高年者の「経験」、女性の「感性」を組み合わせ、パソナは新興企業ながら、次々と大企業との取引に食い込んでいきました。
そうしたコンセプトを、南部さんは三煎(さんせん)という言葉で説明しています。