「長く快適に暮らせる家」とはどんな家なのか、ガイドは、次の6つの条件が必要だと考えます。

(1)長く暮らせる家としての基本性能
(2)快適な暮らしのための通風・採光
(3)広がりを感じられる空間づくり
(4)将来のリフォームに対応していること
(5)性能を保つための適切なメンテナンス
(6)住まいに対する愛着


では、これらがなぜ「長く快適に暮らせる家」に必要な条件なのか、順に説明していきましょう。

(1)長く暮らせる家としての基本性能

ひとつめは、家の「基本性能」です。

工事中の現場

基本性能を備えていることは長く暮らせる家に外せない条件です

基本性能とは、耐震・耐風性、耐久性、耐火性、断熱・気密性、防音・遮音性、防犯性など、長く暮らす家に必要な基本的な性能のことです。

基礎や構造、外装などの耐久性はもちろんのこと、耐震性や耐火性などが優れていなければ、安心できる住宅とはいえません。さらに、日常生活がより快適であるためには、高い断熱性や防音・遮音性、防犯性なども必要でしょう。こういった基本性能が優れた家であることが「長く暮らせる家」の基本条件です。

そして、この性能は、50年、60年と長く維持されなければなりません。

【関連記事】
耐震性を高める免震装置とは?
地震保険料が高い家、安い家
知っている? 家の「性能表示」
火災保険が安い住宅の条件は?
工法によって耐久性は違う
日本の家が短命なワケ

(2)快適な暮らしのための通風・採光

家に大切なのは、高い性能を長期間持続することだけなのでしょうか? そこで考えなくてはならないのは、「快適性」ということです。快適性の捉え方は人それそれですが、まず、考えたいのが通風・採光。風通しがよく、太陽の光が降り注ぐ家は心地よいものです。

青空

天窓や高窓など、窓の取り方で通風・採光をよくすることも可能です

けれども、都市部では周囲の敷地条件や接道の関係で思ったように窓がとれないこともあります。また、せっかく窓を設けても隣家の視線が気になって一日中カーテンをひいて暮らしている部屋があるかもしれません。また、窓を開閉することなく、エアコンを常に稼働させているというお宅もあるでしょう。

最近のハウスメーカーの住宅には、住宅が密集しているような敷地でも、窓の取り方を工夫したり、中庭をとって通風・採光を確保するなどの工夫を凝らしたものが増えてきました。これは、やはり「快適な暮らしのための通風・採光」が求められているからだと思います。

日差しを取り込み、気候のよいときには窓を開けて自然を感じながら暮らせるようにすること。長く快適に暮らしていくためには、必要な条件だと思うのです。

【関連記事】
横山大観邸に学ぶ都市住宅の手法

(3)広がりを感じられる空間づくり

3つめは、広がりを感じられる空間であること。家族構成やライフスタイルなどによって、間取りや個室の数は異なりますが、家のどこかに、ある程度の広さ、つまり、ボリュームのある空間が必要です。これは、家が広くないとつくれないのでしょうか? そんなことはありません。ポイントは、広がりを感じられる空間かどうか、ということです。

廊下

空間の取り方にメリハリをつけ、家のどこかにボリューム感のある空間をつくるとよいでしょう

たとえば、個室は狭くても家族が集まるリビングは広くとるなど、メリハリをつけることで広々とした空間が生まれます。部屋の一部に吹抜けを採用し、立体的なボリュームを感じられる空間にするのもよいアイデアです。また、むやみに壁をつくるのではなく、廊下や階段を部屋に取り込むことで視覚的に空間の広がりを感じさせるのも工夫のひとつだと思います。

広がりを感じられる空間として、もう一つ大切なことがあります。それは、普遍的に美しい空間であることです。空間のテイストを好みのデザインにまとめるのもよいですが、年月が経ったときのことも考え、長く愛せるデザインを選択しましょう。

このような工夫で、コンパクトな敷地でも空間として豊かに暮らせるプランはつくれます。そして、縦(天井高)や横(広さ)に意識的な広がりや美しさを感じられる家こそが、長く快適に暮らせる家ではないでしょうか。

【関連記事】
旧岩崎邸から学ぶこと

次ページでは、(4)~(6)について説明しましょう。