採用の“超プロ”が斬る!「面接と書類選考」
▲ワイキューブ 代表取締役 安田佳生氏 1965年大阪府生まれ。オレゴン州立大学(生物学専攻)卒業後、リクルートに営業職として入社。90年ワイキューブ設立。多くの事業を立ち上げ、失敗も経験。現在では人材・経営コンサルティング事業で年商30億円突破。人気コンサルタントとして講演多数。ベストセラー著書『採用の超プロが教える できる人できない人』や、『採用の超プロが教える伸ばす社長つぶす社長 』がある。記事「サラリーマンが嫌だった」 |
―――これまで多くの採用の場面を見てきた安田さんですが、面接では応募者にどんな質問をしていますか?
安田:私が面接でする質問は、相手によってまちまちですね。
私が面接で見極めるポイントは「性格」と「能力」ですが、「能力」は一瞬で判断できます。話す言葉のつじつまや論理性から、職務適性がすぐに分かるのです。
ところが「性格」は判断が難しいんです。「性格」つまり「価値観」ほど、見極めの難しい要素はありません。おおよそ会社の価値観と合っているようでも、1カ所でも相容れない部分が決定的だったら即、不採用です。それを見極めるために、質問をたくさん投げかけているといって過言ではありません。
極端な例かもしれませんが、よく犯罪者が捕まったときに、近所の人がインタビューで「あんなに真面目な人がどうして―――」と言います。本当に、99%はマジメな人なんですよね、きっと。でも、その残りの1%が犯罪者にするのです。その1%は許されないわけです。
過去の経歴に意味はない
▲インタビューが行われた応接室。豪華な邸宅に招かれたようだ |
―――採用面接以上に数多くの応募書類をご覧になったかと思います。履歴書や職務経歴書のどこをチェックしていますか?
安田:「自己PR」などにある程度の文章量があれば、「能力」を判断する材料になります。これは面接と同じように、応募者の「論理性」などを見極められます。
基本的に私は過去の経歴は無視します。よく「部署でナンバーワンだった」とか、「社長賞を受賞した」などと書かれていますが、私はむしろ「自分に自信がない人だな」と思ってしまいます。
これから応募しようとする「新しい仕事」に「過去の経験」など何の役にも立ちません。むしろ、「これから何をやりたいのか」を私は聞きたいのです。それは書類だけでは分からない要素だと思います。