20代・30代の転職が増えている

若手ビジネスパーソンの転職が増えている
若手ビジネスパーソンの転職が増えている
世の中が転職に寛容になった今、若手ビジネスパーソンの間では、「現在の職場に不満があれば転職するのは当たり前」という気運が高まっています。厚生労働省の調査によれば、新卒入社後3年以内に離職する大卒者は、平成2年度の26.5%から平成12年度36.5%に増えています。読者の周囲にも転職する人が増えているはずです。

転職理由の深層

彼らはなぜ転職するのでしょうか。統計から「典型的な転職理由」をまとめると、以下のような理由で転職しているようです。転職を経験した人なら、納得できる結果だと思います。

・「年収、待遇に不満」
・「会社に将来性がない」
・「やりたい仕事ができない」
・「仕事に適性がない、適性が活かせない」

一見、こうした転職理由は、前向きに

・「年収アップしたい」
・「将来性ある仕事にチャレンジしたい」
・「やりたい仕事に就きたい」
・「適性を活かせる仕事がしたい」

などと言い換えれば、採用面接の場でも十分通用しそうな立派な転職理由に聞こえます。ところが、こうした普通の転職理由の裏側に、本人も気づかない“コンプレックス”が潜んでいるのです。

年収、学歴、ブランド…、根深いコンプレックス

例えば「年収アップ」は、どこかで自分と同年代や職種の人が、自分よりも高い報酬を得ていることを知り、それをうらやましく思い、年収アップを強く望むようになったのでしょう。年収をテーマにした雑誌が売れることから、この「年収コンプレックス」の根深さを感じます。

「将来性のある仕事がしたい」というのも、どこかで今話題の企業やある仕事で活躍している人の話を聞いて、憧れたのではないでしょうか。実は、他人の目やイメージを気にする「ブランド・コンプレックス」があるのかもしれません。

また「適性がない」と思うのは、同じ職場の中に自分よりも仕事ができる人がいて、自分ができないという“差”を感じたからです。どの転職理由にも、他人にはあって自分にはないという「劣等感」が見て取れます。とかく「隣の芝は青くみえる」のです!

常習化するコンプレックス転職

コンプレックスを出発点とした転職は、一歩間違えれば、せっかく転職を果たしても、当初の目的を達成できなかったり、短期間のうちに再び転職してしまうなどの危険性が潜んでいます。

例えば「年収アップ」を求めて転職した人は、また別の仕事が高年収と聞けば、そちらに気持ちが傾くでしょう。「仕事は将来性」だという人は、トレンドの変化によって別の仕事が注目されれば、そちらに関心が移り、転職を繰り返してしまう。コンプレックスの根源は、転職するだけでは解消されません。行動を改め自分を変えない限り、再び同じ理由で転職するだけです。