角栄流「生きガネの使い方」早く! 広く! 多く!
▲『田中角栄経済学―カネを活かして使う極意』生きガネを使え! |
ある他派閥の議員(他部署の平社員ぐらいの関係)が、大病にかかり入院した。その知らせを聞いた角栄は、真っ先に駆けつけ「大丈夫か? 少ないかもしれないが」と言い、さりげなくカネがギッシリ詰まった封筒を渡し、サッとその場を後にした。翌日、その議員が所属する派閥のボスが、おもむろに見舞い訪ね、見舞金を渡すと、角栄の渡した金額にはるか及ばなかった―――。
この手の逸話に事欠かない角栄だが、そのカネの出し方の原則は
“カネは「早く・広く・多く」出せ”
というシンプルなもの。バブル崩壊以降、「お金は大事だよ~」とばかりに、質素倹約が日本人の消費スタイルだったが、その逆を突く角栄流に成功のカギが隠されている。
その3つの原則を次ページから紹介したい。