わずかな手ごたえ

新聞の選挙予想で田中陣営は“欄外”だった
そうして迎えた選挙活動最終日。田中さんはあえて選挙カーは使わず、地元の商店街を歩いた。すると、年配の女性から「ケンちゃーん!」と声を掛けられた。そのとき初めて「手ごたえ」を感じた。

最後まで、田中さんを支持する団体はなく“ヨメる”票は1票もなかった。新聞の選挙予想では、田中陣営は“欄外”。まともな予想すら出ていなかった。

ところが、その予想は“大ハズレ”に終わる。50議席を争う選挙戦で、田中さんの開票は「第7位」。新人議員として快挙と言える、堂々たる大量得票を得ての当選だった。

当選の心境を語る

「選挙活動中、当選できると思ったことは一度もありません。不思議なことに、今でも誰が僕に投票してくれたのか、はっきり分からないんです。ただ、僕のホームページを見た区民の方のメールに、『駅前で演説していたのを覚えています』と書かれていることが多い。きっと僕と同世代のサラリーマンなどが、投票してくれたのではないでしょうか」

もちろん初当選は嬉しいだろう。でも、それ以上に同世代の若者を元気づけた選挙戦だったのではないだろうか。そうでなければ、既存政党が強固な地盤を固める選挙区で、新人で7位という得票は説明できない。

地方自治が面白い

区の行政改革に切り込む
当選から1年半以上が経過した。田中議員の4年の任期も、そろそろ中間地点に差し掛かる。1年のサイクルが一巡し、本格始動する時期だろう。

議員活動の感想を聞くと「地方自治の仕事が面白くて仕方がない」という。例えば、教育問題について国会で議論されるのは、抽象的なテーマになりがちだ。ところが、区議は直接小学校などを訪問、子供と話をしながら教育問題に切り込める。その「顔の見える政治」に、地方議員としての醍醐味を感じるという。

田中議員は、メインテーマとして「行政の無駄をなくし、区の財政を良くする行政改革」を掲げる。補正予算も合わせると年間3,000億円という予算に安住し、行政だけが栄え、区民が苦しむ政治では、本末転倒だからだ。

少数派でも政治は動く

しかし、田中議員が所属する会派は、大田区区議会では少数派。思ったことが、すんなり受け入れられる環境ではない。フラストレーションが溜まるのではないか―――。

「少数派でも議員がやれることは、たくさんあるんです。たとえ僕の提案が、議会で受け入れられなくても、行政に無駄があるなら、僕は直接区民に訴えることができる。僕の提案が正しくて、区民の共感が得られれば、議会だって動かせる。確かに、より多くの人に訴えなければなりませんから、パワーはかかります。でもむしろ、区民との一体感を強く感じます」

>>>ガイドにはまだ疑問がある。なぜ大田区で出馬したのか?>>>