しっかり「蹴る」ことができないと速く走れない!
速く走るためのポイントのもう一点は、地面をきちんと蹴ることができるかという点だそうです。ところが最近の子どもたちは、このしっかり蹴るということができない子が多いといわれています。しっかり地面を蹴るということを体に覚えこませるためには、実は「ジャンプ」が有効な練習方法で、しかも大きくジャンプするのではなく、小刻みなジャンプを繰り返し練習するほうが効果があるそうです。
家にある道具で工夫してできますよ! |
縄ばしごの間を両足や片足で跳びながら進んでいく、ハードル(家ではティッシュの空き箱を二つ重ねた程度の高さのもので代用できる)を飛びながら進んでいくといった方法で繰り返し練習が行われました。
「浮き指」ってなんだ?
ここまでご紹介してきたのは、足が速くなることに特化した練習ですが、こうした専門の練習以外にも、足を速くするために日常生活の中でできる工夫もあるそうです。■その1 いろいろな動きを体に覚えこませる
遊びを工夫するだけでも運動能力は伸びる! |
「子どもの頃の足の速い、遅いは先天性の能力ではなく、いわば経験の差が大きいと思います。体にいろいろな動きを経験させることで、この時期の子どもたちの運動能力は伸びていきます。そのため一つの運動だけではなく、いろいろな運動にチャレンジするといいですし、遊びの中でもたとえば鬼ごっこのように走る、立ち止まる、急に向きを変えるといったさまざまな運動要素が盛り込まれている遊びを積極的に行うと効果的です」(木越さん)
■その2 「浮き指」の子どもが増えている!
実はこの日は三次元測定機「フットルック」という、本来トップアスリートの足型計測をするために使われる器具を使って子どもたちの足型計測が行われましたが、この日2グループに分かれたうちの1グループ全員が、程度の差こそあれ「浮き指」であることがわかりました。
「浮き指」とは、直立の姿勢で立っている時に足の指に力が加わっていない状態のことで、足の指に力が加わっていない → 土踏まずができない → 運動能力が育たないという結果を生み出してしまうのです。
もちろん、走りに際しても、足の指に力が入っていなければ「蹴る」ことが十分にできないため、当然走るのが遅くなってしまいます。