地震による液状化現象の自由研究防は災教育にもつながる!
地震による液状化によって飛び出したマンホール、自由研究の実験で再現ができる
夏休みの自由研究において、地震による液状化現象の再現実験がオススメです。日本においては、どの地域に住んでいても地震発生のリスク、そして、液状化のリスクがあります。液状化は意外と簡単に再現することができます。防災教育にもつながります。小学校高学年にオススメの自由研究のテーマです。
地震による液状化によって壊れた歩道、自由研究の実験で再現ができる
東日本大震災においても沿岸地域で液状化現象が起こり、多くの住宅などに影響が出ました。2019年6月18日に起こった新潟県、山形県を中心とした地震でも山形県鶴岡市の市街地で液状化現象が起こっていました。多くの人が住んでいる都市部では、液状化現象のリスクがとても高いエリア(地下に水分が多い)もたくさんあります。
<目次>
液状化現象を実験1.道具の準備
液状化の実験で、沈んだ車のようす
プラスチック容器は果物などを買うことで、入手することができますが、時期によっては手に入れることが難しい場合もあります。そういった際は、ホームセンターなどで探すと簡単に見つかります。またペットボトルを用意して同様の実験を行うやり方もあります。 中に入れる砂については、今回はホームセンターで販売している「川砂」を使用しました。園芸用のもので、200円程度で販売されていたものです。砂に関しては、自宅にある砂や海岸などで取ってきた砂でももちろん大丈夫です。
液状化現象の実験では、砂と水だけでも、水が染み出してきて、地面が変化する様子を観察することができます。しかし、それよりも実際の地震の際の液状化現象の時と同じように、自動車、マンホールなどにあたるものを設置して行った方が、リアリティが出てとても分かりやすくなります。
液状化現象を実験2.手順
1.地面の準備まず、プラスティック容器に半分程度、砂を入れます。その後、水を入れます。水の量は右の写真にあるように砂が十分浸る程度まで入れます。そして、全体が湿ったことを確認してから多すぎる水を捨てます。これで、水分の多い土地が再現できたことになります。海岸や沼地を埋め立てた土地と同じ状態です。 2.置くものの準備
その上に乾いた砂を少しのせます。厚さは0.5~1センチくらいが良いです。あまり厚くのせてしまうと、実験がうまくできなくなってしまうことがあります。それが普通に見えている地面にあたります。乾いた砂の下に、マンホールや水道管の代わりとなるもの(今回は消しゴム)を入れておくと、液状化によって盛り上がってくるようすが分かるようになります。また、自動車の模型などを置いていくこともオススメです。 3.地震の再現
地面の用意、置くものの用意ができたら、プラスチック容器の両端を持って、揺らすことで地震を再現します。容器の硬さにもよりますが、角を持った方がスムーズに揺らすことができます。揺らす時間に関しては、砂や水の量などによって変わるのですが、10秒くらいすると、少しずつ水分が染み出してきます。そのまま続けると、埋めておいたもの(マンホールの代わり)が浮き上がってきたり、上に置いてあったもの(車など)が沈み込み出します。 4.液状化の発生
ある程度の時間、プラスチック容器を揺らすことで、液状化現象が発生します。右の写真の白い消しゴムのように地中にあるものが地面へ押し上げられたり、地面に置いてあるもの(自動車など)が沈み込んだりします。実際の地震ではマンホールや水道管が地上に押し上げらたり、タイルで作られた歩道などがぐちゃぐちゃになってしまったりします。
液状化現象の実験3.成功コツ
液状化現象の実験では、用意した砂の種類や容器の大きさなどによって、結果が随分と違ってきます。予備実験として、何度か取り組み、理想的な条件を見つけてから本格的な実験に取り組むと良いでしょう。また、地面に置くもの(自動車など)については、重さがあるもの程、沈み込みが起こります。右の写真でも上の写真にある木の自動車よりも金属で作られている黒い自動車の方が沈み込みが大きくなっています。
液状化現象の実験4.自由研究まとめ方
まとめる際には、画像を上手に使うことが大切でしょう。右にある自動車の写真のように液状化の前後の変化の状態を比較する形で分かりやすく液状化現象のようすを伝えることができます。他の自然科学系の実験と違い、調べたデータで何かを伝えるというよりは、状況を再現することがねらいとなります。そういったものを分かりやすく表現できると良いでしょう。
液状化の実験を今後の防災に生かそう!
液状化現象の再現実験を行い、それをきっかけとして地震、津波、防災などに興味の範囲が広がっていくことが望ましいです。それぞれの地域では、その土地特有の地震に関連した災害があります。海に使いエリアでは「津波」、高層ビルでは「長周期地震動による揺れ」、地震に強い「建築」などテーマが広がっていく可能性があります。昔の大地震で津波が到達した地点を調べるという研究もあります。そういったことが防災意識の向上に繋がっていきます。【関連記事】