夏の手土産にお菓子を選ぶのは、ちょっと難しい。暑い季節ですから、甘いものといっても、冬に食べたくなるものとはちょっと違いますよね。暑くても食べたくなる味や、涼しげなビジュアルのものを選ぶのが、やはり基本になると思います。あるいは、暑さ寒さにかかわらず、話題性がある、抜群に魅力的なものというのも、選択肢にはあります。
マンネリを避けて、新しい店を発掘するのもいいけれど、まずは、よく知るあの名店を見直してみませんか。意外なお菓子が隠れていたりすることも。ならば活用しない手はありません。意外性があって、必ずや喜ばれるはず。この機会に頭に入れておくと、何かの時にきっと役に立ちます。どんな相手で何を喜んでいただけるか、適当な予算はどのくらいかを考えながら、せっかくですから、おいしい手土産を選んでみてください。
5位 紫野和久傳 ささのか菓子 希水
西湖・希水 詰め合わせ 竹籠各5本入り 3203円
京都の料亭のお菓子です。笹に包まれた「西湖」という定番のお菓子は、誰に差し上げても喜ばれます。笹に包まれたゼリー状のもので、れんこんが材料。和三盆で品よく甘さをつけています。冷たく冷やしてツルン。最高です。ご存知の方もたくさんいることでしょう。この季節なら、ちょっとひとひねりして、同じ形状の「希水」を選んでみてはいかが。笹の葉エキスとおおばこ粉を材料に、リンゴの爽やかな甘さも。やはりしっかり冷やして。口に涼が訪れます。かご入りが、見た目も涼しげでお勧めです。
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和久傳】
4位 とらや 小形羊羹
小形羊羹 1本210円、5個入り1155円
とらやといえば羊羹。あまりに有名で、かえって手土産に使わないという方もいるかもしれませんが、それはもったいない。中形、竹皮サイズの羊羹は、地方への手土産として。そしてこの小形羊羹は、目上の方や、和菓子好きへの、大げさでない手土産には最適です。年始やお節句など、節目の時に可愛いパッケージも登場しているので、若い人に差し上げても喜ばれるかも。また、はちみつと紅茶は、小形羊羹だけの味。お値段も手ごろなので、是非活用してみては。
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とらや】
3位 ウエスト ジンジャータルト
ジンジャータルト 15個入り 2100円
東京土産として有名なウエストのお菓子ですが、定番はリーフパイや大ぶりなクッキー。わたしも、地方に行く時にはこれらを持っていきますが、他にも意外性のある商品が。それがジンジャータルトです。シンプルな素材の中に、思いのほかシャープに生姜がきいていて、伝統と革新、なんていう言葉をふと思い出してしまいます。きらびやかな洋菓子がデパートに並ぶ今、この素朴さとまじめさがかえって新鮮。ウエストをよく知る人にもこの味は目新しいみたいで、また、スイーツフリークに差し上げて喜ばれるのも、きっとそんなところなんだと思います。生姜がさりげなく夏らしさを演出してくれそう。
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洋菓子舗ウエスト】
2位 ル・コルドン・ブルー La Boutiqueのデニッシュ各種
右から時計回りにタルトポム 280円、クーク(洋ナシ&アプリコット、白桃)各220円、パンオショコラ 220円、クロワッサン 210円
パリの料理学校としてあまりに有名なル・コルドン・ブルー。代官山にあるのをご存じの方も多いと思いますが、ここに、ケーキやパン、お惣菜のブティックが併設されているのは、まだそれほど知られていないかもしれません。どれもさすがの味ですが、中でも素晴らしいのは、デニッシュ系のパン。バターの香りが格段にいい。クロワッサンにパンオショコラ、季節のフルーツ、今ならブルーベリーやアプリコットののったクークは、中のパティシエール(カスタードクリーム)も美味。季節を先取りしたリンゴのタルトも絶品です。こんな詰め合わせを女性同士の集いの手土産にしたら、最高に喜ばれそう!
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La Boutique】
住所:東京都渋谷区猿楽町28-13
ROOB-1 ル・コルドン・ブルー内
TEL: 03-5457-2407
営業日:9:30~22:00(日・祝 ~20:00)
定休日:月曜日
1位 梅花亭 鮎のてんぷら最中
鮎の天ぷら最中 1個 230円
夏になると、鮎をかたどったお菓子をいろいろなところで見ますよね。すっと細長い姿は、涼しげで、品があり、また食べやすく、ちょっとした手土産にはもってこいだと思います。大抵は、どら焼きの薄いのみたいな生地に、あんこや求肥が入っていると思うのですが、そんな中で珍しいのがこれです。鮎の形の最中。しかも、てんぷらという名の通り、揚げてあるのです。口にすると、サクっ。油の香ばしい香りが広がって、あんこにコクを出します。ちょっと他にはないこのお菓子、食通にも自信を持って差し上げられます。
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梅花亭】
執筆:「
簡単グルメレシピ」ガイド
浅妻 千映子