共に考えてくれる存在が変化を起こす
会員手作りの看板がピッコロの目印
訪問は1回2時間で4回。ビジターは、先輩ママあるいは友だちの立場で過ごし、相談に乗ったり、自分の体験を話したり、お母さんが抱えている不安を取り除くためにどうしたらいいかを一緒に考えていきます。
離乳食をうまく作れなかったお母さんが、ビジターから簡単にできる離乳食を教えられ、実際に作ってみて、さらに、次の訪問では図書館で、離乳食の本を借りてきていたといった具合に、距離がどんどん縮まり、利用者に変化が起こってくるそうです。
「ビジターも、利用してくれる方も、皆『楽しい』といってくれます。支援の最中は、ビジターの連絡先は教えないことがルールですが、訪問が終わったら自由にしていいとなっているので、4回の訪問が終わった後も個人的に連絡を取り合っている方もいるんですよ」
孤独になりがちな子育ても誰かが共感してくれたり、話を聞いてくれたりするだけで、救われたような気持ちになるものです。近所づきあいも希薄な時代だからこそ、同じ地域に先輩ママの知り合いができるのは心強いものです。ホームビジターという活動リアルなつながりを作るきっかけともなっています。
リアルなつながりを持って地域で支える子育て
問題が表面化していない家庭に訪問する“予防の子育て支援”と聞くと、多くの人の理解はなかなか得にくいかもしれません。また、プライバシーに敏感な時代に“家庭に入る”ことは支援する側もされる側もハードルが高い面もあります。
でも子どもの虐待が増え、そのニュースをどこか他人ごとと思えない家庭が少なくないことも事実です。そういった状況を受け、あえて家庭の中に入っていくホームビジターは、新しい子育て支援のシステムとして大きく注目され、全国各地の自治体などから視察や問い合わせも多いといいます。
子どもの虐待が深刻な社会問題となっているなか、これを様々な“目”と“手”で支えようという動きが活発です。子育て広場などのように「待っている支援」も行政や民間の手で多様なスタイルが広まっていますし、オレンジリボンのような「ゆるやかに見守る支援」も注目されています。
それらと同じようにこちらから出向き、リアルなつながりを作りながら、地域で子育てを支えることは、ホームビジターという仕組みで今後広がっていくに違いありません。
ピッコロの詳しい情報は、こちらからどうぞ。ママと子どもの居場所「子育てひろば」や、小学4年生から高校生までを対象とした「ジュニアサポーター養成講座」など多彩な活動を行っています。活動を支えるサポーターも募集していますので、興味がある方はぜひアクセスしてみてください。