部屋の狭さ、広さは視覚的な情報から判断される
私たちは部屋全体から受ける印象で広さを判断します。判断基準となるのは、窓の大きさや外に見える風景、天井の高さ、インテリアのテイストや色合い、家具のサイズや配置など、視覚的に得られる情報です。そのため、面積はさほど変わらないのに、実際の面積以上に広く感じる部屋と、なんとなく狭く感じる部屋があるのです。ということは、視覚的な広がりを感じさせることで、広く見せることができるわけです。
ここでは狭い部屋を広く見せる視覚的なコツを解説していきましょう。
【目次】
狭い部屋を広く見せるコツ
1.ものを減らして、 すっきりとした空間を心掛ける
2.整理整頓したり、家具の高さをそろえ、床や壁を見せる
3.室内に採用する色数を抑える
4.インテリアは淡い色合いでまとめる
5.背の高い家具を避け、水平ラインを強調する
6.新築時やリフォームの際は間仕切りの少ないプランに
7.吹抜けや天井高の変化で縦横に広がりをもたせる
狭い部屋を広く見せるコツ1.ものを減らして、 すっきりとした空間を心掛ける
では、具体的に広く見せるにはどうしたらいいのでしょうか。空間を広く見せるコツのひとつ目は部屋のものを減らして、すっきりさせること。ものが乱雑に散らばっている部屋よりも、きれいに片付き、整頓された空間は広く見えるものです。ソファに脱いだ衣類が掛けられていたり、テーブルの上にものが出しっぱなしではだめです。
きれいに片付いた部屋は整然とした雰囲気で落ち着きます。壁や床を見せるのもコツ。装飾のない大きな壁に自然と視線が向きます
小さな部屋にたくさんの家具を置いているとか、家具の上に小物をいっぱい並べたり、壁に装飾をして、床や壁がほとんど見えないと、その部屋は狭く感じてしまいます。できるだけ不要なものを処分して、ものの少ないすっきりとした暮らしを心掛けるとよいでしょう。
狭い部屋を広く見せるコツ2.家具収納の高さをそろえ、床や壁を見せる
そのためには、記事『部屋が雑然と見える原因は3つの「ぱなし」』の記事でも触れましたが、適度な収納を確保し、ものは扉の中に隠し、外に「だしっぱなし」にしないことが大切です。家具については、造り付けの収納など、壁の凹凸を少なくしたり、高さをそろえるとすっきり見えるでしょう。狭い部屋を広く見せるコツ3.室内に採用する色数を抑える
部屋を広く見せるコツのふたつ目は、インテリアの色彩計画にあります。具体的には、色数を絞り、淡い色でまとめるとよいでしょう。室内に使う色数を抑えて、床や壁の色合いを白に近い色でまとめるとすっきりとした印象になり、広く見えます
部屋の中には、床・壁・天井のほか、家具やカーテン、クッションなど、たくさんのものがあり、それぞれの色があふれています。そのため、室内の色数が多すぎるとまとまりがなくなり、乱雑なイメージになります。目を引く色が散在していると視線は定まらず、あちらこちらに移りがち。落ち着いた空間にはなりません。
狭い部屋を広く見せるコツ4.インテリアは淡い色合いでまとめる
色については、原則として、床より壁、壁より天井を薄い色に、という順序でだんだんと淡い色合いのものを選んでいくのがおすすめです。特に、天井にあまり濃い色を選ぶと、圧迫感があります。取材で伺った家の例ですが、床や壁が白っぽい色でも天井を黒にすると、天井が低く感じられ、上から天井が落ちてきそうな気がしました。
インテリアを考えるときには部屋全体のバランスを見て、落ち着いた雰囲気になるように、採用する色数は抑えること。色を選ぶときには淡い色を中心にして。鮮やかな色や濃い色は、差し色としてクッションやラグなど、小さな面積に取り入れると、部屋のアクセントになるでしょう。
狭い部屋を広く見せるコツ5.背の高い家具を避け、水平ラインを強調する
空間を広く見せるには、縦方向や横方向に広がりをもたせることも肝心です。広がりを感じるようにするには、家具選びや配置の仕方が重要です。例えば、背の高い家具は避け、低い家具を選んで壁を見せるようにします。そして、できるだけ家具の高さをそろえて水平ラインを強調しましょう。空間の間仕切りとして家具を配置するときにも、背の低い家具なら隣接する空間の先まで視線が伸びるので、広がりを感じると思います。
家具は背の低いものにして、水平ラインを強調。窓の外に視線がつながれば、より広さが演出できるでしょう
狭い部屋を広く見せるコツ6.新築時やリフォームの際は間仕切りの少ない間取りプランに
新築時やリフォームの際には、部屋を細かく仕切るより、空間をつなげ、遠くまで見渡せるようにするといいですね。そのとき、大きな窓の向こうに空や木々の緑が見えれば、室内と屋外が一体の空間となり、広く見えます。
狭い部屋を広く見せるコツ7.吹抜けや天井高の変化で縦横に広がりをもたせる
また、吹抜けをつくったり、天井の高い空間をつくって、視覚的な開放感を演出するのも効果的でしょう。特に、天井の低いところから、天井の高い空間に出ると、開放的な印象を受けるものです。天井高を抑えた玄関や廊下を経て、天井の高いリビングに導く動線などは、来客にもインパクトがあると思います。この場合、天井をすべて同じ高さにするのではなく、天井の低いところがあることで、高さがよりいきてきます。目の前に広がる空間のボリュームが大きくなると、私たちは実際の面積より広く感じるのです。
この写真のような吹抜けがあると空間のボリュームが大きくなり、視線が縦方向にも伸びるので、広さを感じます
最後にもう一度おさらいをしましょう。広く見せるには、とにかく視覚的な広がりを演出することです。できるところから上手に取り入れて、心地よく広々と感じる部屋をつくり上げてください。
【関連記事】小さい家に住む大きなメリットとは?長く暮らすなら断然おすすめ!
いい家は、維持費が安く簡単メンテナンス