中古住宅を選ぶときに重要な2つの書類
最近は、リフォームすることを前提に最初から中古住宅に絞って物件探しをする人も出てきました。中古住宅を選んだ理由の中で最も多いのは、価格の安さ。でも、安いからといって、欠陥住宅や、耐震性や耐久性などの基本性能が予想していたレベルより低い住宅では困ります。良質な中古住宅を手に入れて、大切にしながら暮らすのもよいですね |
住宅履歴書のある物件を探す
中古住宅を購入するときの一番の不安は、見えない部分に隠れた瑕疵(欠陥)がないかどうか、構造体にはどんな材料を使い、どのような工法で家が成り立っているのか、わからないということが挙げられます。この不安を解決するのが「住宅履歴書」です。既存住宅の場合の住宅履歴書とは、住宅メーカーなどから引き渡しまでに手渡される書類と、暮らしてから行った修繕やリフォームの記録。具体的には、下記の書類です。
・ 工事の請負契約書
・ 建築確認済証
・ 建築設計図書
・ 竣工図面(建築途中に設計変更などがあるので必要)
・ 工事記録(写真なども含む)
・ 完了検査済証
・ 住宅性能評価書などの書類
・ 修繕履歴に関する書類(修繕やリフォームなどの記録)
現在市場に出ている既存住宅のすべてに上記のような「住宅履歴書」がそろっているとは思えませんが、少しでも多くの書類が残っている物件を選ぶのがおすすめです。そのほうがメリットが大きいからです。
例えば、住宅の柱や梁、壁、筋交い、土台などの状況が正確に把握できれば、耐震性や耐久性についてもある程度判断できるでしょう。また、外壁の再塗装についても、どんな材料を使っているのかによって、購入後のメンテナンスのタイミングが推測できそうです。そのほか、設備機器についてもメーカー名や品番がわかれば、消耗部品の取り換えのときにも便利です。建築後に修繕やリフォームをした場合も記録が残っていれば、後で役立つでしょう。
次のページでは、もうひとつのポイントである「住宅検査」について説明していきましょう。