ホームインスペクションとは?

ホームインスペクションは、住宅診断や建物検査などともいわれ、住宅の設計・施工に詳しい建築士などの専門家が、住宅の現況について調査を行い、不具合の有無や補修すべき箇所、その時期などを客観的に検査するものです。

インスペクションを行う専門家(ホームインスペクター)としては、検査専門会社や建築士(設計事務所)、不動産会社の系列会社などが挙げられます。NPO法人日本ホームインスペクターズ協会などの認定団体はありますが、現状では誰もがインスペクターと名乗れるのが実態です。

インスペクションは、目視による検査を基本としますが、インスペクターごとの検査メニューや依頼主の要望によっては、専門的な機器を使用して検査したり、床下や天井裏などの内部に立ち入って検査するなど様々です。インスペクションの費用は、一般的に目視による基礎的な検査で、5万~8万円程度といわれています。

インスペクションが必要とされるのは、「新築住宅」の内覧会などで購入者に同行して、住宅の不具合の有無を検査するケース、「リフォーム工事」が竣工した時点で工事内容の不具合の有無を検査するケースなどですが、今注目されているのは、「中古住宅」の売買の際に住宅の劣化状況などを検査するケースです。
インスペクションの様子

中古住宅の購入検討者が、自らインスペクションを依頼し、物件の不具合などを事前に調べて、購入するかどうかの判断材料にするケースが増加している。(写真提供:さくら事務所。中古住宅の屋根裏を目視で検査しているところ)
 

今、インスペクションが注目されるのには、理由がある

インスペクションが注目される背景には、中古住宅の売買の際に、専門家が住宅の劣化状況などを検査することで、消費者が安心して中古住宅を購入できる環境を整えようと、政府が「インスペクションの普及」を重要施策として掲げていることがあります。

国土交通省では、ホームインスペクションの課題として、実施する検査機関ごとにインスペクターの資格や技術力、インスペクションの検査基準が異なっていること、インスペクションの結果について問題が発生した場合の責任や保証の内容が不明確なケースもあることなどを挙げています。そのため、「既存住宅インスペクション・ガイドライン」をとりまとめ、2013年6月17日に公表しました。


>次ページからは、国土交通省が公表した、インスペクションのガイドラインについて見ていきましょう。