黄昏時を再現する美しい光
写真3.PH5 plus
PH5は外観のデザインだけでなく、器具の内面にも仕掛けが隠されています。ポール・ヘニングセンは、黄昏時の光をつくり出すことを目指し、人間の目にとって強く感じやすい黄色と緑の光を弱め、感度が低い赤と青を補うために、シェードの内側を赤と青で塗装しています。これによって、照らされたものの色は自然光の下での見え方に近くなり、例えば料理をより美味しそうに見せます。器具の大きさから、住宅では4人もしくは6人がけの食卓用として人気があります。
写真4.フロストガラスの下面カバー
現在は、照度を高めたPH5 plusも販売されています。PH5 plusでは、光源の位置やサイズが違う電球も使用可能で、E26の電球型蛍光灯を使うことができます。LED電球は、現状でランプの後ろに回り込む光が少ないため、そのタイプに限って言えば反射光が効果的でありません。
2008年には、PH5誕生50周年を記念して、チリ・レッド、ミント・ブルー、ワサビ・グリーン、ココナッツ・ホワイト、オリーヴ・ブラックの5色のカラーバリエーションがあるPH50シリーズが発表されました。日本でも販売されており、独特の美しい色遣いと表面に光沢のある仕上げが特徴です。
写真5.PH50シリーズ
六本木AXISビル3Fのルイスポールセン社のショールームでは、これらの器具を含めた北欧らしい灯りが数多く展示されています。興味のある方はぜひお立ち寄り下さい。
参考文献 NYT 560 Louis poulsen&coa/s.1998-99
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