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新陰影礼賛1 日本人が愛してきた光と影(2ページ目)

和の光というとどんな光を想像しますか?能などの伝統芸能は光と深く関っています。また日本には「ちらちら」「あかあか」といった光を現す言葉がたくさんあります。豊かな光の文化をもう一度見直してみませんか?

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

豊かな光の表現


写真3.日の出前の「しらしら明け」
地理的に見ると日本の国土は縦に長いことから四季に恵まれた気候風土をもっています。自然光は季節や時間で様々に変化します。昔の人たちは和歌や物語のなかに自然光のいろいろな変化を言葉に残しています。
   
例えば夕方の光に黄昏、夕映え、入り日方、夕ざりなどなど。また日本語には光の種類を表す言葉が幾つもあります。太陽などが安定した強さをもって輝く様を「煌煌」と言ってますがその反対に強くない光が繰り返し光る様を「ちかちか」とか小さな光の繰り返しを「ちらちら」と言ったりします。
   
さらに「煌煌」とは違った明るさを表した「あかあか」や、その反対のぼんやりとした微かな光に「ほのぼの」と言う言葉もあります。この他に「きらきら」、「ぎらぎら」、「燦々」、「あからか」、「しらしら」など光輝く様子を表す言葉はたくさんあり、英語などではおそらく十分に説明できないと思います。(写真3)


写真4.金屏風に反射した蝋燭の光が部屋を照らしています。
日本人の光や色に関する好みの傾向は、歴史を紐解いてみると、明るい感じと暗い感じが交互にきているように思われます。極端な表現かもしれませんが中世の禅寺は色彩の感じない世界であり、その後の武家屋敷に見る狩野派の金銀の輝き。そして利休の詫び錆びに対して遠州の綺麗さびや歌舞伎に見る白日光と続きます。(写真4)

電灯照明の時代になるとそれまでの横からくる光とは異にする上からの明るい光が追求され現在に至っています。明かり障子や行灯の柔らかな光は確かに日本人の感性にあった光かも知れません。しかし上記のことを考えると、それが和の光と結論付けるのはいかなるものかと思います。

<関連記事>
「有明行灯」
「光の館を訪れて 5ルクスの世界」
「春の京都 花灯路」

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