照明・LED/照明住宅実例

照明住宅実例:ほっとする「あかり」が灯る家

和紙や無垢材など素材の良さを生かした住宅のご紹介です。今回は温かさを引き立てる照明計画を行いました。器具選びのコツや間接照明のポイントも参考にして下さい。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

素材の良さを引き立てるあかり


リビングルーム

写真1.木や和紙の質感を引き立たせる暖かい光

今回は当社が照明設計を担当した住宅をご紹介します。場所は高知県の須崎市です。建築・インテリアの設計は彩ホームプロジェクトで、良質な素材にこだわり、むく材や土佐和紙の壁紙を使用した温もりのある住宅になっています。土佐和紙壁紙「やいろ」は、非化学処理の和紙壁紙としては日本で初めて防火2級認定を受けており、柿渋やヒバの粉入りなど、種類も豊富です。

当社では木や和紙の質感やぬくもりを照明でいかに引き立てるか、も考慮して照明計画を行いました。普段は住宅の設計を行う機会は少ないのですが、このような良い素材を使用した空間の設計となると機能的な明るさを得るだけでなく、素材をどう美しく見せるかがポイントになります。
 
リビングルーム

写真2.梁下にライティングダクトを設置している。

写真1・2は、玄関すぐのリビングルームで梁にライティングダクトを取り付け、ガラスカバー付きスポットライトで機能的な明るさが確保できるように設計しました。ライティングダクトやスポットライトは、どちらかと言えば店舗で使用されているイメージが強いです。このような木や和紙がふんだんに使用されている場所にスポットライト?と思われるかもしれませんが、選んだガラスカバー器具は、器具自体が柔らかく光るため、優しい表情で住空間にもマッチします。

ライティングダクト用スポットライトのメリットは、このダクトの範囲であれば器具の位置を自由に動かせることです。つまり家具のレイアウトが変わっても器具の配灯位置や照射方向を調整することで必要な所を明るくすることが可能になります。さらにここでは調光可能なスイッチにして、生活者の行為に合わせて明るさを変えられるようにしました。

写真3のリビングルームに隣接するダイニングルームでは、やはり器具が少し光るシーリングダウンという器具で照明しています。天井をボードで貼っていないので、直付け器具を設置しないと明るさが確保出来なかったためです。

また木の質感を生かすため、器具のセードがガラスで、内側に反射鏡のついている器具を選定しました。またダイニングとリビングの境界となる梁の上には電球色の直管型蛍光灯を置いて、天井面の木の質感を表現するよう間接的に照明しています。

ダイニングルーム

写真3.梁の上に蛍光灯を設置した間接照明



次の頁では、間接照明のポイントご紹介します。

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