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非日常を味わう演出照明

劇場やコンサートで使う舞台演出的な光が建築分野でも使われるようになりました。商業施設のような賑やかな場はもちろん、地下通路など閉鎖的な空間にも効果的です。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

気分が高揚する特別な光


写真1.クリスマスの演出
演劇やコンサートに行くと、ムービングライトやカラーライティングの華やかな照明演出に圧倒されることがあります。このような舞台では人の動きと音響、そして光が一体となることで観客は別世界に引き込まれていきます。

「舞台照明」と「建築照明」は関係が薄いと思われがちですが、最近では建築分野でも舞台演出的な光が使われるようになりました。特に商業施設の吹き抜けやファサードなどのパブリックスペースに映像パターンを動かすような演出が見られます。

写真1、2のように床や天井に光のパターンが映し出されているのをご覧になったことがあるかと思います。これは、スポットライトに「ゴボ」と呼ばれる模様が抜かれた板を差し込み、映し出しています。昔は手動でゴボやカラーフィルターの操作が行われていましたが、現在はコンピュータープログラムで自動的に操作されます。


写真2.ソニーセンター(ベルリン)
動きのある映像パターンはインパクトがあり、人の視線を引き付けます。しかし、その一方で常時見せられると飽きられやすいという側面も持っており、リピータの多い店舗空間などでは注意が必要です。

例えば、平常時は落ちついた雰囲気で照明し、休日や特別な日に演出をするなど、メリハリをつけることで非日常の高揚感を味わうことができます。また、このような演出用の照明器具はプログラムを組み替えられるというメリットがあります。季節感を出したり、音楽に合わせて動きをつけたりと幅広い演出が可能です。

次の頁では、光で集客している地下空間の例をご紹介します。
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