インテリアとしての古灯火具
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この行灯、誰がどこで使用していたのか想像するのも楽しいですが、とりあえずいつ頃のものかを尋ねたら、昭和初期のものだろう、とのことでした。昭和初期と言えば谷崎潤一郎が「陰影礼賛」を執筆した頃です。彼は電灯照明より油やろうそくによる日本の伝統的な灯りの採り方を絶賛していた人です。この頃の日本はすでに都市部だけではなく地方の片隅でも電灯照明が普及していたようで、火の光で生活しているところを探すのが大変な頃だったと思います。
写真2. |
行灯は置き型の他に壁にかける掛行灯や天井から吊るす釣行灯もあります。有明行灯は置き行灯に分類され、座敷に置かれる座敷行灯の一種です。
次の頁では、火の光なのに調光できる行灯の秘密をご紹介します。