梅雨時は日中でも陰鬱
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写真1.梅雨空の室内
今にも泣き出しそうな、どんよりした日の朝に外の光の状態を測定してみました。朝の時間帯にもよりますが、照度は2000~3000ルクスで、晴れたこの時間帯の明るさに比べ1/10以下しかありません。
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写真2.温かな光を加えることで雰囲気が改善される。
屋外ですらそのように状況ですから、住宅の室内に至ってはさらに悪い雰囲気になります。例えば昼光率2%の窓のある部屋でも、採光による室内の平均照度は40~60ルクスで陰気な気分に陥ります。この明るさは目覚めを妨げる明るさといえます。
図1は「クルーゾフのデータ」と呼ばれています。今から60年以上も前に作られたものです。照度と色温度の関係で空間の雰囲気がおおよそ分かります。例えば上述の40~60ルクスの明るさで色温度が6000Kの場合、陰鬱状況にあることかが分かります。このデータは被験者がヨーロッパ人のため日本人の感覚とは少しずれております。しかし照明による雰囲気が分かる貴重なデータのため、今でも照明設計者の中で活用されています。
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図1.照度と色温度の組み合わせによる快適さ
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