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フィンランド祈りの光~宗教建築を旅する1(2ページ目)

その土地の文化や時代を反映する寺院、教会は建築や照明に興味がある人には必見です。今回は自然と生活に溶け込むフィンランドの教会をご紹介します。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

自然の中に佇む教会


写真4.ミュールマキ教会(ロウヘラ駅から撮影)ヘルシンキの中心街を離れ少し郊外へ足を延ばすと、森の中に住宅が点在し、自然と一体化した暮らしを伺い知ることができます。

写真4~6は、中央駅から電車で20分ほどのロウヘラ駅のすぐ近くにある白樺の木に囲まれたミュールマキ教会(Myyrmäen kirkko)です。聖堂建築家としても知られるユハ・レイヴィスカの設計で1984年に完成しました。

陽光がテーマのこの教会は、日の光の差し込み方が入念に計算されています。4月の上旬に訪れたのですが、季節や時間帯によって全く違う見え方をするそうです。

写真5.ユハ・レイヴィスカ自身がデザインしたペンダント
太陽の光が貴重な北欧では、昼光を建物の中に上手く取り込む設計が多く見られます。トップライトから差し込む差し込むシャープな光はとても美しく、神々しさを感じずにはいられませんでした。

照明はユハ・レイヴィスカ自身がデザインしたゴールドのペンダント(写真5)が高さを違えてリズミカルに宙に浮いています。この器具はパラシュートをイメージしているらしく間接光と直接光、そして、自然光と人工光が上手く調和した印象深い照明効果が演出されています。

また、祭壇には緑・紫・青・白の淡い色づかいのテキスタイル(クリスティーナ・ニュルヒネンのデザイン)が絶妙なバランスでかけられており、優しく清清しい雰囲気の礼拝堂を引き立てていました。

写真6.自然光と人工光が調和した礼拝堂





次の頁では、生活に根ざした暖かな祈りの場についてご紹介しています。
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