照明・LED/照明器具・間接照明の基礎知識

住宅照明の失敗 その3(2ページ目)

照明器具からは光とともに熱も照射されます。その熱でやけどや物の破損など思わぬ事故につながることもあります。今回は照明熱による失敗例をご紹介しています。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

照明熱でこんな失敗を


スポットライトの間接照明

写真2.床置き型スポットライト器具は子供の手が触れやすいので注意

ここで幾つかの熱による失敗事例や問題を紹介します。

1、ランプに触れて火傷
照明器具の外観温度は触れても火傷をしないように設定されていますが、ランプの温度は別で、ランプ自体数百度になるものもあり、触れたら危険です。特に小さなお子さんのいる部屋では、手の届くところに照明器具は置かないようにしましょう。(写真2)

2、熱に弱いものを照明器具の近くに置いたため変形
例えば、スポットライトの近くに眼鏡を置いたら、フレームがプラスチックだったので、変形してしまったなど、熱に弱いものは、照明器具の近くに置かないようにします。


3、近接限界距離より近づけたため煙が出た
蛍光灯にフィルターを付けた例

写真3.蛍光灯にフィルターを取り付けている例

例えば、反射鏡付ダウンライトで照明されている部屋を、一時倉庫代わりに使用して、ダンボールを積み上げていたら、器具と近付きすきてダンボールから煙が出た。

特に集光しやい反射鏡付のダウンライトやスポットライト器具は近接限界距離があり、その距離より手前に物が来ないように注意します。近接限界距離はメーカカタログに記載されている場合もあるので必ず確認してください。

4、照明器具をセロハンや紙で覆う
蛍光灯にカラーセロハンを貼って使ったら、セロハンが変色、変形してしまった。(写真3)蛍光灯に付けるカラーフィルターは専用のものが発売されておりますので、そちらををお使い下さい。基本的には照明器具を布や紙などの何かで覆って使ってはいけません。
点灯中のランプの表面温度

図2.点灯中のランプの表面温度を放射温度計で測定した例


以上のような失敗や問題が生じないよう、器具自体の熱と器具から放射される熱に注意しましょう。

<関連記事>
「照明器具から出火!?火災を未然に防ぐには」
「住宅照明の失敗 その1」
「住宅照明の失敗 その2」

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