照明・LED/照明器具・間接照明の基礎知識

住宅照明の失敗 その4(2ページ目)

今回は映り込みによる失敗例をご紹介します。キレイな夜景や庭を眺めるのに、窓に室内が映り込んでしまっては台無しです。また、内装材や家具に光沢のある素材を使っている場合の注意点もご紹介しています。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

映り込みのない照明


写真3.室内が窓ガラスに映り込んでいる例ガラスでカバーされた絵画に照明器具の映り込みを排除するにはどうしたら良いでしょうか。

それはスポットの照射角度を変えるか、絵画の取り付け角度を変えるかを考えることです。しかし、あえて言えば、部屋に飾る絵画や写真などはいつも見ることができるので、美術館照明のように、スポットライトで強調しなくてもよい、と思います。

私はこの場合、よくダウンライト器具を絵画面近くの天井に付けることを勧めます。ダウンライトは絵画面に対して光の照射方向がより平行に近いため、壁に映ったダウンライトの光が絵を照らし、さらに反射光は絵を見ている人の目に入らず、床の方に逃げます。したがって映り込みがなく、絵はやさしく照らされます。


写真4.室内を暗くし、手元だけを明るくして、映り込みを軽減させている
絵画以外で映り込みの問題になるのが、窓ガラスと光沢のある床です。透明の窓ガラスは夜に鏡となります。カーテンで閉めてしまえば問題はありませんが、もし、美しい夜景が見えるとしたら、もったいないです。

夜景を楽しむ生活は、窓に映り込む要素をできるだけ明るくしないですむようにします。そして、できるだけスポット的な照明器具を別に用意しておくことです。

もし天井中央にシーリングライトがあれば、まずそれを消すことです。そして手元を中心に明るくなるスポット的な光をつければ、夜景は良く見え、手元でいろいろなことができます。


写真5.光沢がある床
次に床面ですが、床が少しでも光沢がある場合は床面近くに、光を設置しないことです。映り込みが生じると、煩わしい思いをするからです。特にテレビを見ている視野に、このような光があると最悪です。

以上のような失敗や問題が生じないよう、設計の段階で器具の選定と取り付け位置は十分に注意しましょう。

<関連記事>
「住宅照明の失敗 その1」
「住宅照明の失敗 その2」
「住宅照明の失敗 その3」

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