スポットライト型LED電球の経済効果
最近は一般照明用LED電球に対してスポットライト効果の得られる、投光照明用のLED電球(以下、スポットライト型LED電球)が多く市販されています。これらのLED電球は従来の反射型投光電球であるレフ電球やPAR型(ビーム)電球、MR16型(直径50mmの径を持つダイクロイックミラー付きハロゲン電球。以下、ダイクロハロゲンと言う)の代替として開発されたものです
たとえば表1のダイクロハロゲン40W とほぼ同程度のスポット効果のあるスポットライト型LED電球4.2Wに代替すると、10年間での対費用効果を計算してみました。
1日の点灯時間が7時間(1年を300日)、電力費を1Kwhあたり25円とします。また ダイクロハロゲン40Wは単価が1,500円として、寿命が3,000時間です。それに対してスポットライト型LED電球4,2Wは単価を7,000円として、寿命は40,000時間あります。以上の条件で計算すると、概算ですがスポットライト型LED電球がダイクロハロゲンより10年間で約2万円ほど安くなることが分かります。
表1. スポットライト型LED電球とダイクロイックミラー付きハロゲン電球との特性比較
空間を演出するスポットライト型LED電球
初期のスポットライト型LED電球は明るさはもちろん光の質においてダイクロハロゲンより劣っていました。しかし、電力事情が悪化した福島の原発事故以降、省エネや照明経済を優先する事情から仕方のないこととして使われることもありました。しかし今日では低ワットでありながらかなりダイクロハロゲンに近い性能を持ったものが開発されています。スポットライト型LED電球はLEDチップが一個のワンコアと多粒のものがあります。(写真1)
写真1. 写真左:ワンコア 写真右:多粒
写真2. チップ数の多いスポットライト型LED電球による照明の影
今日ではワンコアタイプが多くなっているためマルチシャドウの心配が少なくなりました。
さらにスポットライト型LED電球がダイクロハロゲンに比べ良いところが幾つかあります。
一つ目は紫外線による色褪せなどの劣化が少なくて済むことです。
写真3. 観葉植物のライトアップと手元の照明例
三つめはスポットライト型LED電球は多くの場合、4万時間の寿命をもつため、高天井などのメンテナンスが難しいところに設置することが可能になっています。
例えば最大光度が3000lm(6.9W)のランプを4mの高さに設置したとしても、直下で150lx以上の明るさが得られ、今までには難しかった明かりの演出を楽しむことができるでしょう。
上述のようにスポットライト型LED電球の種類が増えていますが、まだ商品によって一長一短があります。特に単価が一般照明用LED電球と比べ高価なので、購入する際はデータで性能を確認してから決めることが望まれます。
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