物納または売却による納税(相続発生後)
物納制度の本来の意義は、物があっても急に換金できない、または無理に換金しようとすると赤字になる場合など、売り急ぎによる納税者の不利益を防ぐのが目的です。納税者にとってはひとつの救済措置の役割を持った制度といえます。しかし、いざ、相続が発生し、不動産の物納で対処しようとしても、なかなかすんなりと対処できないのが現状です。相続税の納税手段として『物納』を選択した場合、税法上の特例措置・物納審査期間を有効に活用し計画的にさまざまな厳しい条件を整備しなければなりません、また、さらなる次世代への資産引継ぎも考え、収益性の高い資産を守るためにも最良の不動産の選択を検討しなければなりません。
基本的な納税手段 |
仮に物納申請した後でも、租税特別措置法39条による、相続税の申告期限より3年以内に相続した土地を譲渡した場合、取得した土地全体にかかった相続税の額までを、取得費に加算できる特例により、相続税評価額よりも不動産が高く売れれば特例を選択したほうが有利な場合もあります。
相続による土地取得費算入額 算出式 |
具体的な貸地・アパートの物納の流れ
「貸地・アパートの物納」フロー図 |
上記は、貸宅地やアパートなどの一般的な物納の流れですが、駐車場など更地物納の場合はそれほど複雑ではありません。ただし、物納物件の選択は、納税者がまずは選択できますので、更地など将来が楽しみな不動産は取っておいて、権利関係の複雑な不動産物納のチャレンジをお勧めします。