どこが違うの?疑問解明シリーズVol.1
キッチンペーパーとティッシュペーパー
かつての日本の台所には、布巾(ふきん)が欠かせない存在でした。流し台の前の窓枠には布巾掛けが取り付けられ、使い終わった布巾を干す様子は、台所の象徴でした。
流し台がシステムキッチンに変化したのに伴って、布巾がキッチンから姿を消し始めました。使い終わった布巾は洗濯機で洗って、天日のもとで干すことによって殺菌消毒をかねることを意識するようになり、綺麗になった布巾は引出しに収納し、必要に応じて取り出して使うようになって、キッチン空間に布巾が露出されなくなったことは、最近のインテリア雑誌のキッチン空間を見るとよくわかります。
もうひとつの変化が、従来の布製のふきんから、キッチンペーパーにその主役が交代しつつあることです。最近のキッチンでは、紙製のキッチンペーパーやキッチンタオルを使うことが多くなってきたように見受けられます。
皆さんのご家庭は如何ですか?
食品や食器の、水気を切ったり拭き取ったりはもちろん、天ぷらの油切り、使い終わった油漉し、料理の落としぶたとしても、キッチンペーパーはおおいに役立ってくれる主婦の強い味方と呼べるでしょう。
ところが、このキッチンペーパーと似た商品のティッシュペーパーとの違いは、ほとんど理解されないまま、何となく使い分けているという方が多いのではないでしょうか?
食卓テーブルの上にあるティッシュを手軽に布巾代わりに使っている方も多いようです?
厚生労働省の指導で、今まで食品向けの紙製容器包装について、食品衛生法による規制がなく安全性を確保するために、食品向けプラスティック容器と同じように自主基準で対応することになり、2007年5月21日に、日本製紙連合会から「食品に接触することを意図した紙・板紙の自主基準」が制定されました。
この中で、製紙行程の様々な段階で使われる化学薬品や再生パルプに含まれる重金属などの残留濃度を規制することが明記されています。すなわち化学薬品、毒物、重金属などの発がん物質を極力抑えようとするものです。
当然のことですが、顔面や手などに直接触れるティッシュペーパーやペーパータオルにも高い安全性が求められますが、食品に直接触れるキッチンペーパーやキッチンタオルなどは、この規制をより高くクリアすることが求められています。
食品や食器の水切りや、天ぷらの油切りに、ティッシュペーパーを使っても問題はないのでしょうか?食品に触れる用途に、キッチンペーパー以外の紙を使って問題はないのでしょうか?
こんな素朴な疑問を解明するために、日本製紙連合会、王子ネピア、日本製紙クレシアを取材した結果をお知らせします。
結論から言いますと、“ティッシュペーパーを食品や食器に使っても、人体には影響はありません。使えない訳ではないが、使用目的が違うのでおすすめはしていません”ということになります。
次のページで、一般的な紙のでき上がるまでの工程ご案内します。
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