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今あらためて考える「子供部屋は必要か」(2ページ目)

秋は「勉強の秋」!じっくり勉強させるには、やっぱり「勉強部屋って必要?」ということではないでしょうか。今回は「子供部屋をどうつくるべき?」というテーマについて最近のトレンドを交えて考えます。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド

勉強時間
子どもが小さい時はいらないと思っていた勉強部屋も、子供が大きくになるにつれて……
前述のように、イマドキの母親の多くは子供部屋は必要と思っていますが、その使い方は子供の成長・年齢によって異なってくるようです。つまり、子供が幼少期や小学生など小さいうちはリビングなどで遊ぶことが多いため、「専用の部屋は必ずしもいらない」、もしくは子供部屋はあくまで親からの独立心を養う場所という位置づけなのですが、第一子が13歳以上つまり中学生になると「プライバシー確保」や「勉強部屋」としての位置づけが色濃くなるようです。

出産前から「子供部屋」について考えよう!

子供の成長を考えればある意味、当然といえば当然なのですが、問題は、小さい時には特に必要ないと思っていた「子供部屋」を、中学生になったとたんに家の中につくることが難しいという現実です。特に住宅購入を検討するときは子供がまだいない、いてもまだ小さいというライフステージの頃が多いので、「子供部屋のことを全く考えずに、手狭なマンションを買ってしまった」「子供部屋のあり方を考えずに間取りプランを決めてしまった」ということになりかねません。

子ども部屋イメージ
最近は吹き抜けに面してオープンな子供部屋を配置するプランが増えている(写真協力:ダイワハウス)
したがって家づくりを考える際には、まだ子供が生まれていなくても、「子供は何人つくるのか」「成長後を考えて、それぞれ個室のあるプランにするのか」をあらかじめ設計時に考える必要があるのです。小さいうちは子供部屋の必然性が弱くても、ある一定の年齢になれば、集中して勉強するスペースも必要になるわけで、従来のようにマンションから一戸建ての住み替えが当たり前の時代とは違い、景気・年金・雇用不安な時代の今、住み替えのハードルは高いと言わざるを得ません。

子供部屋が必要かどうかではなく、スペース的に可能なのであれば最初から子供部屋用スペースをつくっておき、「つくってもできるだけオープンに」という流れが賢明なのかもしれません。

子ども部屋
子供一人一人に個室を与えるのでなく、2室をこんなふうに共有して(写真協力:住友林業)
事実、こうした時代の流れを受けて、ここ十数年ほどの傾向として、住宅メーカーや建築家は「間仕切りしない」「気配を感じる」子供部屋を提唱してきています。一戸建ての場合で言いますと、通常、独立した子供部屋は2階にもっていくことが多いかと思いますが、その場合でもできるだけ壁で仕切らずに、吹き抜けに面してつくって階下の気配が感じられるようにしたり、兄弟姉妹の部屋同士も引き戸や間仕切り収納でゆるかやに仕切る、といった提案を最近のモデルハウスなどでもよく見かけます。

子供部屋は最小限&シンプルでいい?

子ども部屋
テラスを介して向こうのパパ・ママの部屋が見える子ども部屋の配置(写真:ミサワホーム「ジニアス・リンケージ・ウィズ・キッズ」)
またはテラスコートを介してパパ・ママの主寝室がほどよく見えるといったオープンな子供部屋にしたり、高校生・大学生になって集中して勉強したい、一人の時間をもちたいという年齢になったら、壁をつくって仕切っても、そこに小さな窓などを開けておくと、子供の気持ち的にも全く閉ざされた部屋にはなりません。

また子供部屋をあえて居心地よくせず最低限の部屋にしておくと、成人した子供はそこで過ごすのは苦痛ですから、結果的に自分で外に借りる、家賃のためにしっかり働く……ということでパラサイトシングルやニートにならせずに済むというメリットもありますよね(笑)

いずれにせよ、大切なことは、自分の部屋があっても家族の気配を伝えて、ゆるやかに監視しながら見守ることができるかということ。子供部屋にはテレビやゲームをできるだけ置かず、ベッドと本棚くらいしか入らない最小限のスペースにして、「こんなにつまらないのだったら家族みんなのいるリビングに行こうかな」と思わせる程度のシンプルなつくりでよいのかもしれません。

次回は、「子供部屋は家全体だ」というテーマで子供部屋以外の家全体を考えてみたいと思います。お楽しみに!

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