「要・不要」から「どうつくるか」へ

子供部屋イメージ
個室への引きこもりを防ぐ子供部屋はどうあるべきか(写真協力:住友林業「マイフォレスト-ミクオ」)
子育て住宅を考える時、まず頭に浮かぶのは「子供部屋は必要かどうか」「どういう子供部屋にしたらいいか」ということではないでしょうか。個室への引きこもりなどが問題になって以降、子供部屋「不要論」が台頭した時期もありましたが、今は「要・不要」で考えるのでなく「どうつくるべきか」という子供部屋のあり方を考える傾向にあるようです。

「子供部屋が必要なのか」ということはもう随分前から議論されてきました。1980年以降の個室への閉じこもりや少年犯罪が問題になり、宮崎勤事件がカギのかかった個室で行われたと報道されたことなどから、「子供部屋はいらない」という不要論が出たのもこの頃です。20年前には「親が子供に与えるもののうち、一番後悔しているのは愛情でもお金でもなく子供部屋だった」という皮肉さえ生まれました。

子ども部屋イメージ
小学生になったら独立した子供部屋を与えたいけど……
そういう時代に個室を与えられて育った今の20~30代が、今度は自分たちがわが子に子供部屋を与える時期に来ています。子供ながらに「個室の弊害」を感じ取って成長した世代だけに、「子供部屋が必要かどうか」「子供部屋はどうつくるべきか」に潜在的にこだわりがちなのも、ある意味自然なことなのかもしれません。

「子供部屋は必要」8割、持ち込んでほしくないものは?

ではイマドキの母親たちは子供部屋についてどんなふうに思っているか、最近のアンケート結果を少しご紹介しましょう。これは、トステム住宅研究所の研究機関が運営するコミュニティサイト「おうち*くらぶ」が既婚女性100名を対象に2年前に行った調査ですが、まずズバリ!「子供部屋が必要だと思いますか」という質問には3割が「絶対必要」、5割が「必要」と答え、計8割の人が必要だと思っています。
子ども部屋調査
既婚女性へのアンケートでは、子ども部屋に持ち込んでほしくないモノは「TV」「TVゲーム」のほか「パソコン」も! パソコンはやはり家族のいるパブリックスペースに置くべき?(「おうち*くらぶ」調査より)

その理由としては「子供の独立心を養うため(48%)」という回答が半数を占め、「プライバシー確保のため(18%)」「子供が遊ぶ場所として(17%)」と続き、意外なことに「勉強部屋として」という理由は1割ちょっとと一番少ない回答でした。これまで子供部屋を設ける大きな目的だったと思われる「勉強部屋」的な要素は影をひそめ、独立心・プライバシーといった「しつけ教育」的な要素が強くなっていることは注目です。

子ども部屋
子ども部屋はことさら広くなくてもいいけど、後からは付け足せない?(写真協力:ダイワハウス「ハッピーハグモデル」)
一方、「子供部屋に持ち込んでほしくないモノ」について聞くと、やはり「TV(26%)」「TVゲーム(34%)「パソコン・インターネット(25%)」「携帯電話(9%)」と、子供部屋から出てこなくなる原因となるようなモノには警戒しているようです。また、実際に子供が家の中で過ごす時間が長いのは、「リビング」が7割と圧倒的に多く、「子供部屋」は1割という回答でした。

つまり少子化の中、親心としては子供部屋を与えて独立心を養ってほしい、少しでも良い環境でしっかり勉強してほしい……という希望がありながらも、「そこにひきこもってはほしくない」という相反したホンネが見え隠れしています。

このように、子供部屋に対してはさまざまな捉え方がありますが、子供の成長・年齢によって子供部屋に対する考え方や使い方が変化してくるようです。詳しくは次ページで。