200年住宅の「200年」の裏付けとは?
エコの原点は「地球上の木材が枯渇しないこと」 |
現在、住宅用資材として流通している木材は「40年材から」が多い。40年かけて育てられた木材は少なくとも40年かけて使わなければいけない。しかし、現実には日本の家は20~30年で建て壊されている。40年サイクルのところを半分のサイクルで木材や資源を使い捨てしていることになる。
樹木のうち建築用木材は40%弱しか使われず、残りは燃料として燃やされてしまう? |
200年後は技術や性能の進化が想像を超える?
しかし、実際はすべての家が100~150年壊されずにすむわけにはいかないので、「意識的に長持ちさせようとする住宅」は200年もたなければいけない。「……というのが、学識者などで最初に唱え始められた『200年』のゆえんです。例えば紙に使われる木材資源なども細かく計算に入れても、150年ほどの結論に至ります。これは、木を使う住宅企業だけでなく、住まい手も含めた全員に課せられた課題として受け止めなければいけないと思います」と石川氏。今から200年前といえば江戸時代の家。今から200年後の家はどうなってる?(写真はイメージ。鳥取県の町屋) |
1981年(昭和56年)につくられた新耐震基準にしても、まだ18年。1992年(平成4年)の新省エネ基準、1999年(平成11年)の次世代省エネ基準も10年。「だから、刻々と移り変わっていく時代や技術や性能の変化に耐えられる住宅が、本当の意味での200年住宅であり、それを私どもは築100~200年の古民家にヒントを得たのです」(同)。能楽や茶の湯の極意として尊ばれてきた温故知新を、日本の家づくりでも実践できないものか。世界中には100~200年経っても変化しない古民家があり、その答えとして導き出したのが、『習いは古きに、創意は新しきを』というテーマでした。
30年前、ミサワホーム創業者として事業に携わっていた三澤氏はアメリカ建国200年の際に、「世界の200年住宅リスト」を入手し、世界500の街に残るこれらの古民家を訪ねたと言います。それらの世紀を超えた古民家の共通点として行き着いた5つの答えとは?