女性にとって長く快適な家はズバリ「掃除フリーな家」
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| 市川氏の自宅キッチンは調味料一つから計算して細かに収納を考慮。これが「掃除や片付け」フリーな家のポイントに |
市川氏 私は結婚して30年来、実に2～3年ごとに住みかえてきました。もう十数回……住み替えが好きだったんですね。そして現在の一戸建てには14年経つのですが、なぜこんなに続いているんだろう、何が違うんだろうと考えてみたんですね。以前コロコロ住みかえていた時の理由は、狭かったり収納の使い勝手や日当たりがよくなかったり…というものでした。以前の家は密集地の住宅でしたので1階は全く日が入らず、晴れていてもまず電気をつける生活。最初は気にならなかったのですが、だんだん気分まで暗くなってしまって。やっぱり日当たり・風通しも目に見えないけど体では感じているものなんですね。
そして「居心地の良い家って何だろう」と改めて考えた時、「掃除にあまり手がかからない」という結論にたどり着きました（笑）。もちろん、家の中が雑然としているほうが居心地よい方もいらっしゃいますし、人それぞれだと思いますが、私は自宅に生徒さんをお招きする仕事柄もあって、整然としているほうが好きで、しかも「いつもきれいにしていたいんだけれど、掃除には時間をかけたくない」。今の家は、そんなワガママをかなえてくれる構造なのです。
![香取氏]() |
| インテリアデザイナー香取美智子氏 |
その理由は、最初に動線を考えて作ったんです。土地から注文住宅を建てたので、朝起きて夜寝るまでの自分の行動と動線をまず考えてみたんです。その動線からスイッチやコンセントの位置一つ一つ考えました。私は電気コードが出ているのが許せないので（笑）、何を置くか考えてからコンセントの位置も決めました。エアコンも10年経つと交換時期が来るのですが、全部天井の埋め込みにしてしまったので、外の配管まで持っていくのが大変で、業者に頼まないとメンテナンスできません。やはり設備も見た目すっきりを重要視せず、長い目でのメンテナンスのしやすさを考えなければいけませんよね。
![岩尾氏]() |
| イメージコンサルタント岩尾加寿美氏 |
香取氏 そういう発想から行くと、作りこんでしまっている住宅はかえって長く住みにくいのでは？ 自然を存分に感じたり、日当たりや風通しがいいとか。田舎の家って本物の木を使っていることもあるから、高級なだけに愛着もわいて磨いたりするじゃないですか。そういう思い入れがあると、人は簡単に壊すことなく大事にするような気がします。
岩尾氏 私がカラーコーディネートの仕事を始めたとき、好きが高じて一戸建ての自宅のカラーコーディネートをすべて自分でやったんですよ。壁やトイレも。それでお気に入りなんですけど、築20年の木造でシロアリが出てしまって。当時にしては天井も高くでモダンで、防音性もいいのに。で、売ろうとしたら「シロアリ駆除をまずやらないとダメ」だと売却もできず。やはり見た目では分からない部分が大切ですよね。
![池上氏]() |
| 建築デザイナー池上裕子氏 |
池上氏 売る側ではなくて、住むエンドユーザーの視点が一番大事ですよね。私は子育て世代のアンケートも行っていて「どういう家がほしい？」と聞くと、一番最初にあげられるのは「安全性能」なんです。子育て期だけでなく長期的にみても、介護も実は同じ。結局出てくる問題はほとんど重なっているのです。「長期に住む」ということは、子育てから介護までトータルな「安全性能」が満たされているかどうかが大切になると思います。
当社が提言しているのは「健康でいられる家」。毎日、化学物質の中で過ごさなければならないのは絶対に問題。私たちが育った昔はビニルクロスもなく化学物質はなかったのです。ある時から急に、ビニルクロスの家だったり、化学物質が出てきた。今の子供たちは生まれた直後から化学物質を吸って育ってきている。だから早い段階でアレルギーが発生してアトピーがひどくなっていくのではないかと思います。
![山根氏]() |
| キッチンデザイナー山根ひとみ氏 |
山根氏 子育てという意味では「食」も大切ですよね。私も男の子2人を育て、2人とも野球をやってましたので、エンゲル係数がすごいんですよ（笑）。一升釜と五合炊きの釜があっても追い炊きしてました。朝練してましたので、2合用のお弁当を二つ持って行って。でもそのおかげで、幼稚園の年少から高3まで皆勤賞でした。だからどれだけ食が大切か。小学校から子供たちにはこう言い聞かせていました。「あなたのやることは、忘れ物をしないことと、休まないこと」って。
女性は意外と目に見えない部分を重視する模様。
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