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木造住宅だけではない、シロアリの被害とは? シロアリが好きな家、嫌いな家

シロアリはゴキブリの仲間なのをご存知ですか? 日本に多いシロアリの種類や習性、被害の有無のチェック方法など、シロアリに関することを説明。さらに、シロアリからわが家を守る対策について説明します。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド



◆シロアリの被害が原因で建物が倒壊する!

住まいの大敵シロアリ。シロアリだけで、家が倒壊するなんて…と、お考えの方もいらっしゃると思いますが、土台や柱などがシロアリの被害にあっていると、地震の際に、それが原因で建物が倒壊することもあるのです。実際、阪神・淡路大震災のときも、シロアリによる被害が建物倒壊の一番の要因だったという報告もあるほどです。

シロアリが好きなのは、暗くて湿気のある暖かい場所です。そこに、好物である木材があれば、すみつく可能性大です。反対に、風通しがよく床下などが乾燥している家で、エサとなる木材が少なければ、その家は、シロアリにとって好ましい環境ではありません。

条件シロアリが好きな家シロアリが嫌いな家
風通し悪いよい明るさ暗い明るい湿気多い少ないエサ(主に木材)多い少ない


「ウチは大丈夫!」と思っていても、最近、雨戸や襖などの立て付けが悪くなったりしていませんか? それはシロアリのせいかもしれません。

シロアリがかじった後は、
写真のような筋状の独特のあとが見られます

◆シロアリは「アリ」ではなくて、「ゴキブリ」の仲間!?

シロアリとは、どんな昆虫なのか、ちょっと説明しましょう。シロアリは「シロアリ」といいますが、実はアリの仲間というより、むしろ祖先はゴキブリに近いのだとか(ちなみに、アリはハチの仲間だそうです)。シロアリは、3億年も前からいたそうです。ゴキブリの仲間だと聞けば、木をかじり、湿気の多い暗い場所を好むというのもなんとなくうなずけます。

そんなシロアリにはいろいろな種類があり、世界的には2000種以上といわれていますが、日本に生息するのは約20種類。なかでも住まいに被害を及ぼすのは、主にヤマトシロアリ、イエシロアリの2種類です。

ヤマトシロアリは、北海道の北部を除く日本全国でみられ、イエシロアリは、千葉県以西の温暖な沿岸地域を中心に生息しています。どちらも集団を形成して生息し、成虫は4枚の羽をもちます。シロアリは、春ごろ(ヤマトシロアリは4~5月ごろ、イエシロアリは6~7月ごろ)、新しい巣をつくるため、群れをなして飛び立ちます(これを群飛/ぐんぴという)。羽は新しい落ち着き先を見つけると、すべて落ちてしまいます。

ヤマトシロアリはほぼ日本全土に
生息しています。
イエシロアリは千葉県より西の
沿岸地域に多く生息しています

普通の羽アリ 羽の枚数はシロアリも羽アリも4枚ですが、羽アリは前2枚の羽が後ろ2枚に比べて大きいシロアリ シロアリの羽は4枚とも同じような大きさで、羽アリと比べてべると、胴のくびれがないのが特徴


それではシロアリ被害の見つけ方と、被害の防ぎ方を、次ページで紹介しましょう。
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