長期優良住宅/長く暮らせる家

木造住宅だけではない、シロアリの被害とは? シロアリが好きな家、嫌いな家(3ページ目)

シロアリはゴキブリの仲間なのをご存知ですか? 日本に多いシロアリの種類や習性、被害の有無のチェック方法など、シロアリに関することを説明。さらに、シロアリからわが家を守る対策について説明します。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド



◆風通しをよくして、シロアリの被害を防げ!

シロアリが好きなのは、暖かく、暗くてジメジメした場所です。そのため、床下などに生息し、浴室やキッチンのように常に湿り気のある場所を好みます。ということは、風通しをよくすることがシロアリを寄せつけないことにつながります。

具体的には、換気口の周囲にものを置かない、建物のまわりに不要な木片などを置かないなど、床下の空気がよどまないようにエアコンの室外機の置き場にも注意して、できるだけ風通しをよくすることを心がけましょう。床下にネズミなど動物の死骸を放置しておいたり、カンナクズなどがあると、そこからシロアリが繁殖するケースもあります。

浴室やキッチンの水漏れなどを放置しておくのは、もってのほかです。ガーデニングが趣味でも、換気口の前に大きなコンテナを置いて、花の水やりであたりをいつも水浸しにするなども厳禁。換気口に落ち葉が詰まっていたり、クモの巣などがあったら、取り除いておきましょう。

シロアリは木のやわらかいところを好んで食べ、
かたいところは残します。
木の中でも、シロアリに
強いとされるのは、
ヒノキ、ヒバ、クリなど


◆木が好物なシロアリ…だとすれば木造でなければ大丈夫?

さて、いままでご説明してきたように、シロアリは木が大好きなので、その被害は必然的に、木造住宅に集中するわけです。ということは、鉄骨造や鉄筋コンクリート造などの住宅は、シロアリの被害を防げるのでしょうか? 一般に、主要構造材が木材ではない住宅では、地震時に家が倒壊するほどのシロアリの被害を受ける心配は小さくなるといってよいでしょう。

ただし被害がゼロではありません。シロアリは好物である木材があれば、手前や近くにあるコンクリート、ケーブル、畳などをかじることもあるそうです。実際、コンクリートの基礎にシロアリが穴を開けたこともあるとか。また、鉄骨や鉄筋コンクリート造の住宅でも、内装の木部がシロアリにかじられることもあるそうです。

シロアリがコンクリートを
かじったあと。
木が近くにあれば、
このようにコンクリートやレンガが
被害を受けることもあります


また、シロアリの被害の多くは、地面から1.5m程度の高さまでといわれています。ですから、構造や床下に極力木部以外のもの(柱を鉄骨にするとか、束に金属や樹脂を使うなど)を使用するなどの対策をすることや、基礎と床の間を非木質素材で仕切るなどが、シロアリを寄せつけない家にするための方法だといえるでしょう。
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