ここでは、選ぶ前に知っておきたいトイレ機器の種類や特徴、選び方のチェックポイントをまとめました。
基本構成は、洋風便器+便座+タンク。タンク式とタンクレス
既存の排水位置に対応しやすく、1日で交換が完了するリフォーム向けのトイレ。[住宅リフォーム用トイレ アメージュZリトイレ(フチレス)] LIXIL
また、タンクの有無によって、タンク式とタンクレスに分類することも。最近では、デザイン性の高いタンクレスを取り入れるプランも増えてきています。その他、メーカーによっては、ローシルエットのタンク式などもみられます。
一般的なタンク式には、手洗い付きのタイプと手洗いなしのタイプがあります。手洗い付きは、別に手洗器を設置する必要がないので、狭いスペースでもプランニングしやすいのがメリットですが、水ハネや汚れなどが気になる場合も。手洗いなしタイプは、すっきりとしたデザインが魅力でしょう。
その他、便器には、大型タイプと普通タイプがあり、大型のタイプは、ゆったりとした座り心地が特徴。コンパクトなタイプであれば、限られた空間でも設置することができ、リフォームでも取り入れやすいでしょう。
便座には、普通便座、暖房便座、温水洗浄便座
便座に座ると水道水のミストを便器ボウル面に自動で吹き付けることで、汚れが付きにくく、落としやすい。防汚性の高い樹脂を便座に採用。 [新 ウォシュレットS] TOTO
温水洗浄便座の機能は、おしり洗浄や乾燥、暖房や節電、脱臭や抗菌、掃除のしやすい機能など。メーカーによっては、一般的なシャワー洗浄だけでなく、ソフトな水流であったり、吐水に強弱をつけたりするものなどもみられますし、便座や便蓋がゆっくりと閉まる機能を持つもの、節電機能を高めたものなどもあります。また、高価格帯の製品やオプションには、室内暖房、自動感知照明などの機能がついたものもみられます。
形状としては、便座型と便器一体型に分けられ、後付けができ、家電量販店などで販売されているのが便座型、便器やタンクに温水洗浄のための装置が内蔵されているのが便器一体型です。また、お湯の作り方によって分類すると、使用する際に、瞬間に適温のお湯を噴出するのが瞬間式、内蔵したタンク内で温水をつくり貯めておいて、使うたびごとに噴出するのが貯湯式です。
リフォーム向けのタイプや高齢者の方向けの商品も
汚れの入る隙間を少なくした本体、便座を簡単に取り外すことができお手入れも楽に。タンクレストイレと手洗いを一体化したタイプ。 [NewアラウーノV 手洗い付] パナソニック エコソリューションズ
その他、高齢の方でも、立ち座りしやすいように配慮されたトイレも。便座が前方に傾斜しながら昇降するタイプであれば、楽に立ち上がることができますし、アームレストがついたタイプもあります。収納キャビネットに肘掛の機能を持たせたり、温水洗浄便座の操作面を見やすくしたりといった配慮を施している商品もあるので、利用する家族の状況に合わせて選ぶようにしましょう。また、在宅介護などでも取り入れやすい、居室内などに比較的簡単に設置することができるトイレもみられます。
便器にも便座にも、汚れにくく、掃除のしやすい工夫が
汚物、水アカ、キズ、細菌などの汚れに対応する衛生陶器「アクアセラミック」。陶器表面の特殊な構造により水アカが付着しない。 [タンクレストイレ 新「SATIS」 ] LIXIL
また、便座や便蓋を着脱することができたり、便座本体をスライドさせるなど、便器と便座の隙間掃除をしやすくしたタイプ、便座裏側に特殊樹脂で加工を施し 汚れを付きにくくしたものや便座のカタチや加工などによって、お手入れが簡単になるような工夫が施されているものなど、細かな工夫が随所にみられます。
便器の節水性能、便座の節電機能
トイレ空間の気になるニオイの主成分である、アンモニアを取り込み、除菌水フィルターで捕集し脱臭。汚れを付きにくく、落としやすくする素材を採用。[ネオレスト ハイブリッドシリーズ RHタイプ] TOTO
同様に、節電性能の高い温水洗浄便座も揃っています。無駄なエネルギーを使わないように、たとえば暖房機能では、センサーが人の動きを検知し、使用する時だけ便座をあたためる機能、設定時刻に便座のヒーターを自動で切る機能なども。また、便座や便フタに断熱材を内蔵することで、熱を逃がさず、電気代を抑える工夫がなされたタイプもみられます。洗浄機能では、着座してから温水をつくるタイプであれば、お湯を保温する電気の無駄がないでしょう。
ショールームで実物の確認を。機能や操作方法を比較して
トイレ機器を選ぶ際には、必ずショールームで確認すること。最近では、トイレ機器を並べるだけでなく、広さを確認できるような空間展示としたり、実際に水の流れなどを確認できるコーナーを設けたショールームも増えてきています。各メーカーそれぞれ特徴があるので、実際座ってみたり操作するなどして、水の流れ方や洗浄方法、掃除のしやすさなどをチェックするようにしましょう。また、ショールームによっては、実際のトイレに新商品を設置している場合も。機会があれば使用し、使い勝手を確認するのもおすすめです。【関連記事】