洗濯スタイルに合わせてプランニングを
家事の中でも、天候に左右されることの多い洗濯は、思い通りにはかどらない家事のひとつではないでしょうか。梅雨の時期はもちろん、 外出中の急な雨も厄介ですし、帰宅が遅くなると湿っぽくなってしまう、プライバシーが気になる、という場合もあるものです。新築やリフォームの際には、洗濯作業をストレスなく行いたい、外出していても雨の日でも、天気を気にしなくてすむ物干しの場が欲しい、と希望する方も多いでしょう。洗濯物干し場は、さまざまなつくりが考えられますが、作業をスムーズに行うためには、わが家の洗濯スタイルに適したプランとすることが大切です。日々の生活や家事の方法、間取りや敷地環境などを含めてトータルに検討するようにしましょう。
強風や突然の雨でも安心。風を取り込む窓やドア、上下可動物干しなどをプランニングすることも。[サニージュ 囲い納まり、Fタイプ2間6尺] LIXIL
庭やバルコニーに物干し場を設ける際の注意点
一般的に、洗濯物を干す場所としては、庭やバルコニーというケースが多いようです。テラスやデッキ、裏庭にスペースを確保する場合もあるでしょう。敷地が限られた都市部などでは、庭にプランニングすることが難しかったり、プライバシーの確保などから、2階バルコニーを物干し場とすることも。このように外(半戸外)に物干し場を設ける場合、降雨に備え、屋根や囲いを設けておくことが考えられるでしょう。■テラスやデッキには屋根を設けておく
新築やリフォームの際に、設置する方も多いテラスやデッキ。お茶を飲んだり、趣味の場としても人気のスペースです。開放的でオープンなスペースも魅力的ですが、屋根を設けておくことで洗濯物干し場として利用することも。雨だけでなく夏場の強い日射しも遮ること可能です。
建材メーカー商品には、テラスやデッキに設置可能なさまざまなタイプ、デザインの屋根がみられ、物干し竿を掛けるパーツなども揃っています。風が強いエリア、雪の多いエリアなどに適する商品もあるので、設置する地域性に適したタイプを選ぶことがポイントでしょう。
■サンルームに物干しパーツを取り入れておく
花粉やPM2.5など大気汚染への不安から、洗濯物を干すスペースとして、注目されているのがサンルーム。建材メーカーの商品には、さまざまなタイプのサンルームがみられますが、使用目的によって、居室のように用いる居心地の良さを追求したタイプと洗濯物を干すなど家事効率を高める空間のタイプに分けることができます。
いずれのタイプでも、吊り下げ式や水平タイプなど、洗濯物を干すことができるパーツなどが用意されていますが、家事効率を優先させたタイプの方が、通風を確保や干しやすさの工夫、使い勝手のいい棚など、細かな配慮がなされているものが揃っています。
■サービスヤードに物干しスペースを確保する
ゴミの一時収納や屋外用品の収納、洗濯場などとして使われるサービスヤードに、物干しスペースを確保してもいいでしょう。住まいの裏手に設けられることが多いサービスヤードは、広さや日当りなど、条件によっては、物干し場として日常的に用いるのは厳しい場合もあるかもしれません。しかし、光を通す屋根を設けておけば、雨の日や外出時などには重宝するものです。
建材メーカーからは、後付け可能な囲い商品もみられます。屋外作業用の水栓やシンクなどをプランニングすることで使い勝手もアップするでしょう。
■カーポートを活用する方法も
建材メーカーのカーポート商品には、洗濯物を掛けることができるパーツがオプションで用意されているタイプもみられます。大きめのカーポートでスペースに余裕がある場合、昼間は駐車させていない場合などであれば、物干しスペースとして利用することが可能です。
注意したいのは、カーポートは住まいの正面にプランニングされていることが多いので、道路や近隣から洗濯物が見えないような工夫をすること。目隠しパネルを用いるなどの配慮は必要でしょう。
風の強い3階でも設置可能なシンプルなデザインのバルコニー屋根。 [躯体式バルコニー屋根 ヴェクター 柱奥行移動 アール型 H2 トーメイマット/物干しセット 吊り下げ式 H2] YKK AP
新築の場合、バルコニーに洗濯物を干す予定があるのであれば、あらかじめ深い軒のプランとしておくことも考えられるでしょう。また、建材メーカーの商品には、バルコニーに設けることができる屋根や囲いなども豊富に揃っています。囲いを設けることで、風の強い日に洗濯物が飛んでしまう心配もなく、道路や近隣からの視線も気にならないでしょう。
■リフォームで設置しやすい商品も
バルコニーに設ける屋根や囲いなどは、リフォームで設置するケースも多い建材。既存のスペースに合わせやすく、施工もしやすい商品も増えています。選ぶ際には、設置場所の条件、環境などはもちろん、外観デザインなどにも配慮して選ぶようにしたいものです。
室内物干しの場合の注意点
ライフスタイルの変化などから、太陽光のもとで洗濯物を乾かすだけでなく、室内に洗濯物を干すケースも増えてきているようです。室内で洗濯物を干す際に、使い勝手のいい建材や浴室換気暖房乾燥機も多くみられるので、現状の家事スタイルだけでなく、将来的なライフスタイルの変化も予測して、選ぶことが大切でしょう。■設ける場所で使いやすさも大きく変わる
物干しスペースには、採光や通風を確保したい。プランによっては、トップライトを上手に取り入れても。 [天窓シリーズ ソーラーバッテリーブラインド調光タイプ] YKK AP
■使い勝手も高まった室内物干し
天井に設置する室内物干しも人気のアイテムです。造作で木製バーなどを設けてもいいですし、建材メーカーの商品を取り入れてもいいでしょう。商品的には、天井に設けた専用の金具にポールを設置するもの、物干しが天井に収納され必要な時に降ろして使用するものなど。天井だけでなく壁に設置するタイプ、電動で操作する商品などもあるので、スペースや使い勝手に合わせて選ぶようにしましょう。
■浴室換気暖房乾燥機は性能の確認する
新築やリフォームの際に人気の設備のひとつが浴室換気暖房乾燥機。各メーカーから、さまざまな機能を持つ商品が提案され、使い勝手も高まってきています。
雨の日でも夜でも洗濯物を乾かすことができるので、花粉症の方や幼いお子さんがいる場合、自宅での介護、また、屋外に干すスペースの少ない都市住宅の場合などに重宝するものですが、大量の洗濯物を干すことが難しいこと、入浴時には使えないことなどの理由から、日常使い、というよりは補助的に利用している方が多いようです。
最近では、省エネに配慮したエコモードなどを搭載したタイプや効率よく乾燥させるために温風の吹き出し方向を変えられるタイプなどもでているので、選ぶ際には、目的に適した性能が搭載されているか、確認することが大切でしょう。
■洗濯作業に配慮した洗面化粧台も
洗濯機のまわりに棚やモノを掛けるスペースを設けることもできる洗面化粧台。 [L.C.(エルシィ)] LIXIL
デットスペースになりがちな洗濯機上のスペースを活用するなど、洗濯のしやすさを高めたタイプもあるので、物干しだけでなく、洗濯作業トータルで検討し、ショールームで確認することが大切です。
家族構成やライフスタイルにもよりますが、洗濯は毎日する、という方も多いようです。お子さんが小さかったり、家族が多ければ、一日に何度も洗濯機を回すご家庭もあるでしょう。洗濯の作業がスムーズに行えるかどうかは、物干し場を含む洗濯動線(洗濯機→物干し場→取り込み畳む場所)が大きく影響するもの。洗濯物干し場を考える際には、洗濯機の位置や取り込み畳む場所も同時に検討することが大切でしょう。
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