点字ブロックの障害
街中では、点字ブロックの上に荷物を置いたり、自転車が放置されている光景をよく見かけます。視覚障害の方が点字ブロックに沿って歩行しても、これらの障害物があるとそこで止まって動けなくなってしまいます。また、先ほども書きましたが、点字ブロックの真上だけでなく沿って横を歩く人もいるので、左右50cmは何も置かないようにしなければなりません。街にあふれる「使えない」点字ブロック
好ましくない設置例1) 点字ブロックは基本的に「まっすぐ」か「直角」に設ける
斜めに進むと方向が分からなくなってしまうからです。もしこの写真のように、線状ブロックが斜め方向に方向転換しているものを見かけたら、それは使えない点字ブロックだ!ということになります。
ためしに目隠しをしてぐるぐる回ってみてください。どちらの方向を向いているか分からなくなります。まっすぐもしくは直角に進むことが、方向を失わない手段なのです。
美観を優先して識別しにくい点字ブロック
好ましくない設置例2) 色の判別が難しい
このように、点字ブロックの使われ方を知ればその付近に物を置く人は減るでしょう。また、点字ブロックを設置する側もこの辺を理解して正しくつけないと、せっかくつけたのに、使われない点字ブロックになってしまいます。
点字ブロックの始まりは日本だった
実は、点字ブロックは日本から生まれました。岡山市で旅館業を営む三宅精一さんという方が、友人が失明したことをきっかけに私財をなげうって開発したのが点字ブロックの始まりです。世界で初めて点字ブロックが敷かれたのが昭和42年3月、岡山県立岡山盲学校近くの横断歩道口に、三宅精一さんが寄贈した点字ブロック230枚が設置されました。その後、点字ブロックの価値が認められ、日本全国の主な街や駅にどんどん設置されるようになったということです。1人の民間人が私財を投げ打って、友人のために発明したくだりに点字ブロックにこめられた思いを感じます。次のページで、点字ブロックの使用を義務付けているバリアフリー法の内容について見てみましょう。