住まいの理想的な広さは? 国が掲げる「誘導居住面積水準」
どのくらいの広さの家を選べばよい?
ひとつの指標として国が掲げる「誘導居住面積水準」があります。誘導居住面積水準とは、世帯数に応じて、豊かな住生活の実現のために「このくらいの面積があれば多様なライフスタイルに対応できるだろう」と考えられる理想の住まいの広さを示しています。
誘導居住面積水準には、都市の郊外及び都市部以外の一般地域に建つ戸建て住宅を想定した「一般型」と、都市の中心部及びその周辺におけるマンションを想定した「都市居住型」の二つの水準が設定されています。
一般型:4人家族では125m2、新婚夫婦なら75m2程度が理想
平成28年3月に閣議決定された住生活基本計画(全国計画)の「誘導居住面積水準」(【表1】)によると、都市部以外の一般地域の戸建住宅において、両親+子ども2人(10歳以上)の4人家族を例にとると、理想の住まいの広さは125m2 (37.8坪)程度となっています。郊外もしくは都市部以外に建つ一戸建てを想定した数値なので、都市部のマンションより広い面積となっています。
都市居住型:4人家族の理想の広さは95m2
同じく【表1】より、夫婦+子ども2人(10歳以上)の4人家族が都心部のマンションに住む場合、理想の広さは95m2(28.7坪)程度となっています(住戸専用面積、共用部は除く)。マンションで床面積が90m2以上あれば、ゆとりのある4LDKの間取りが可能です。来客用の予備室をなしと考えれば70m2台の3LDKでも4人家族は可能ですが、ややゆとりがない感じではあります(次ページにて間取り図で比較)。
都市居住型:シングルで40m2、夫婦で55m2が理想の広さ
また、【表1】によると都市部のマンションの理想的な面積は、シングルの場合は40m2、夫婦2人、もしくは夫婦2人+小さい子どもでは55m2くらいが目安となっています。これからマンションを購入予定で現在シングルの人でも、将来的に結婚の予定があれば55m2程度のマンションを購入しておけば、しばらくそのまま住むことができそうです。
先ほども述べましたが、この「誘導居住水準」は理想的な住まいの広さを示しているため、この面積より小さい家に住んでいる人も多いと思います。総務省の平成25年の調査によると、ここに掲げる理想の広さを実現している世帯は全体の57.4%となっています。内訳は、持ち家が74.4%、借家が32.0%でその差が大きいことが分かります。また、建て方別に見てみると一戸建てが71.9%、長屋建てが24.9%、共同住宅が40.4%となっています。
それではその理想の面積では実際どのような間取りができるのか、次のページでマンションの間取り例を見てみましょう。